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    aokun_926

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    aokun_926

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    まんまpixivに投稿した奴のコピペ
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19416845

    #AGENT_TALE
    #UndertaleAU

    ~第一話~落ちてきた子供と遺跡目次第一章 落ちた先は…第二章 ケツイと願いと生存欲と。第三章 遺跡の管理人第四章 幽霊の女の子第五章 ホーム第六章 母の気持ちと、彼女のケツイ。第七章 雪景色とギャグ好きなカリビトあとがきーーーーーーーキャプションーーーーーーーー
    第一話
    ※落ちてすぐの辺りでグロ描写があります※

    あらすじ
    昔、決意を持つ「ニンゲン」と、決意を抱くことが出来ない「カリビト」が居た。
    ニンゲンは、強い決意を持ち、亡くなった後も決意によって遺体とソウルはそのままになる。
    しかしカリビトは強い決意を持つと融けてしまい、亡くなったあとはソウルが砕け、体が塵になってしまう。
    そしてカリビトには異形が多く、モンスターのような見た目の者もおり、それを気味悪がったニンゲン達は
    カリビトを地下へ追いやり、魔法で結界を張り、外から中には入れるが、中から外には出られないようにした。
    そしてその地下への入口を閉鎖した……

    魔法の結界には外の干渉を遮断する力もあり、
    中のカリビトたちは閉じ込められた時の年齢で成長が止まり、寿命を気にすることなく過ごした。
    だが、産んだ子供は親を越え、寿命を迎え、死んでしまう。
    次第にカリビトたちは子を作り、育てるのをやめた。

    しばらく経った…丁度、地下の動力源が完成した頃。
    地下に一人の子供のニンゲンが落ちてきた。
    ここから、地下の物語が始まる。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー目次第一章 [jump:2]

    第二章 [jump:3]

    第三章 [jump:4]

    第四章 [jump:5]

    第五章 [jump:6]

    第六章 [jump:7]

    第七章 [jump:8]

    あとがき [jump:9]
    第一章 落ちた先は…
    「本当に大丈夫かなぁ…?」
    私は今、入るのを禁止されている山に登っている。
    何故かそれは、友達との罰ゲームで、だ。
    正直バレたら怒られるし危ないって聞くし、めっちゃ行きたくない。
    でも、罰ゲームだからなぁ。
    そう思ってると雨が降ってきた。急いで雨宿りできるところを探すと、少し開けた場所に大きめの洞穴があったので、そこに入ると、大きな、とても大きな穴が開いていた。
    落ちたら確実に死ぬと思い穴から離れようとすると、靴が雨でぬれていた所為で滑り、穴に落ちてしまった。
    ヤベ死ぬああ現実グッバイ嫌でも死にたくないウワァア私のバカ!!!

    ズドンッ

    「…生きてる?私生きてる奇跡?」
    そう言いながら私は薄く目を開く。瞼の隙間から見えた景色は色とりどりの花が織りなす幻想的な景色だった。
    「…天国…やっぱ死んでた…でも体はあるし…透けてないし……」
    取り敢えずここがどこか確認することにした。
    見たところ遺跡のような場所で、花はよく手入れをされているようだ。
    奥には道が続いてるようだ。だがまあ、暗い。怖い。
    行きたくないがここに居ればいずれ死んでしまうだろうし、毒性をもつバターカップも生えている。
    どちらにせよ危険なことには変わりない。まだマシなのはこの道の先を行くことだろう。
    周りに注意しながら先に進み。突き当りの右にある入り口に入ろうとした瞬間、

    脇腹に何かが突き刺さった。
    驚いて声も出なかった。ただ、何かが内臓を貫く音だけが聞こえた。
    少し後にそのなにかは思い切り引き抜かれた。
    死ぬ。そう思った。
    傷の部分は熱く、痛みは少ししか感じない。恐怖だけが絡みついてくる。
    「う”ぁああぁぁぁぁ……」
    死ぬことに対する底なしの恐怖に耐えられず、私は叫び声とも悲鳴とも唸り声とも言えない声を出した。
    叫んだことにより気管に血が回り吐血する。のどに血が詰まり上手く息ができない。
    段々傷の部分がジュクジュク痛くなり始める。
    ああ死ぬんだと、体が認識する。まだ死にたくない、そもそもここに登らなければ、罰ゲームだとしてもここに入らなければ。いろんな後悔が頭を浸食する。その中でふと一つ、浮かんだものがあった。
    「どうして私殺されるんだろ」
    どうして?何もしていない。私は何もしていない。ただ足を滑らせて落ちてきただけ。
    そんなただ落ちてきただけの人に攻撃するなんて、少なくとも平和ではない。
    平和、みんな仲良く、喧嘩なんかなくて
    どうして平和じゃないの?…
    どうか、どうか私が次生まれるときは、
    平和で
    誰も死ななくていい
    喧嘩なんかない
    世界を。


    あなたは 殺される時 ふと

    ヘイオンを願った。
    第二章 ケツイと願いと生存欲と。
    「……へ?」
    …生きている。
    さっき、ここに落ちたときと全く同じ。落ちたとき、受け身をとれなくて内臓が跳ね上がった後の違和感。
    目を開けたときに見える色とりどりの花。
    「戻ってる…」
    確認のために開いた目からボロボロと大粒の涙が出てくる。
    生きてる。少なくともまだ。

    ニンゲンが持つものに、ケツイというものがある。
    昔の例に、死にたくないと強く願った人が、死ぬ前に遡って、生還した。なんていう事例があったらしい。
    ケツイ。私の決意、あの時私が強くケツイしたこと。それが私の決意。
    …平穏。あの時私が強く決意した、強く願ったこと。
    私はこれからきっと、平穏を願うたびに
    死んだあと、時をさかのぼって平穏を願った瞬間、願う前、その瞬間に

    「何泣いてるの、exp、奪ってやろーと思ったのに、調子狂うなぁ…」
    ……花。
    他の花に混じって、顔のついた、周りより少しばかり大きい花が。
    …喋っている。
    「ギェァァァアアアアアアアア喋ったァァぁああああああああ」
    私は涙と鼻水の入り混じった顔で遺跡に響き渡るような大声で叫んだ。
    「五月蠅い……、あーもう、めんどくさ。」
    その花は呆れたような声を出しながら葉で花を…手で頭を掻くような仕草をした。
    「めんどくさいから今回は殺さないであげるよ…で、君ここに来たばっかりでしょ。」
    「う、うんッ…はいッそうですッ」
    花がしゃべってるとかいう非現実的な状況におびえながら私は急いで質問に対し返答した。
    「そうだよね。あと私みたいな見た目の奴なんかよくいるから。…気が変わった。君にここの事教えてあげる。ここまで無知だと逆に面白いよ。」
    そう言って彼?彼女?はここの事を教えてくれた。
    まず、ここは地下世界と呼ばれる場所で、かなり大きな王国が広がっている事。
    そしてこの世界に住んでいるのはカリビトというニンゲンに似た種族だということ。
    私のようにニンゲンが落ちてきたのは初めてな事。
    ここには結界が張られていて外には出られないこと。
    それと、EXPとLvを上げると、強くなること。
    そこだけは、何故か説明が少なかった。
    「……そう言えば、名前は?私はチヤメなんだけど……」
    「名前……そんなの…ないよ。」
    驚いた、名前がないのか。そう思った。
    そしたら………そうだ。
    「名前がないと、話しにくいよね。教えてくれたお礼に名前つけてもいいかな?」
    そう言うと花の子はイラついたような顔をした。
    その瞬間に、周りの景色が黒に染まった。
    すると地面からツタが出てきて私の首を絞める。
    「殺されなかったからって調子に乗らないでよ。ここは殺すか殺されるかだ。私はおままごとをしたいわけじゃないんだ。」
    「かッ…ハ…」
    首が絞まる、息が詰まる。苦しい。意識がぼやけてくる。
    どうにかほどこうと首のツタを掴むが、力が強く引き離すことが出来ない。
    ポケットを探っても登る前まで食べていた練り飴と、小袋の少し砕けたクッキーしかない。
    死にたくない。

    「うわぁッ」
    花の子が突然飛んできた何かにぶつかって跳ね飛ばされる。
    ツタがほどけ、その何かが飛んできた方を見ると、誰かが駆け寄ってきていた。
    「貴女、大丈夫?怪我はしてない?」
    第三章 遺跡の管理人
    「ぁ、してない、です。」
    私は掠れた声でそう言った。実際首は少しひりひりするが、怪我はしていない。
    「あぁ、よかった。私の名前はアスタ・フラワ。この遺跡の管理をしてる者よ。貴女は?」
    「わ、私は、チヤメ・Gガラパゴス・ビンティー…です…」
    アスタさんは私の名前を聞いて数秒間考えた後、口を開いた。
    「貴女、もしかしてニンゲン?」
    「あっはい!そうです!」
    急いで言うと、アスタさんは落ち着いた笑みを浮かべて、
    「そう、それならここのことはまだ分からないことも多いでしょう?私が案内するわ。」
    そう言うとアスタさんは私の手を引いてくれた。
    遺跡の中はとてもきれいで、かなり管理が行き届いているようだ。
    遺跡の奥まで行く途中にマネキンを見つけてどう使うのかをアスタさんに聞いた。
    「ああ、それはね、あまり使ってないのだけれど…、試しにやってみましょうか?」
    そう聞かれて私は頷く。するとアスタさんはにこっと笑い、そのとたん周りが黒に染まった。
    目の前にはアスタさんとマネキン、そして不思議な柄のハートがあった。
    「そのハートはソウルと言ってね。貴女そのもの。一定以上それにダメージが加わると、貴女は死んでしまう」
    なるほど、最近流行っているゲームはノンフィクションだったか。
    などとくだらないことを考える。アスタさんの説明は続く。
    「そしてそのハートを奪おうと攻撃を仕掛けてくる輩がいるかもしれないわ。ここに居れば私が守ることが出来るけど、それでも守り切れない時がある。その時は貴女一人で生き残らなければいけないの。」
    長かったので要約すると、つまり。これは戦闘訓練のようなもの、ということだ。
    戦闘は、戦うか、行動をするか、持ち物を使うか、逃げる、逃がすかの四択だった。
    アスタさんは「お話をして時間を稼いで、そしたら迎えに行くわ。迎えに行けなければ自分で逃がすか逃げるかしてね」と言っていたので、説得は通用する…らしい。先程の花を見てもそうは思えなかったが。

    アスタさんは戦闘訓練後に
    「少し疲れたでしょう、さっきまで私、バタースコッチパイを焼いていたのよ。一緒に食べましょう。さ、こっちよ、ついてきて」
    といい、もう一度、優しく導くように手を引いてくれた。
    そう、導きに体を預けているとふと、思う。
    「お母さんみたいだ…」
    そう口に出すとアスタさんは動きを止め、こちらに少し悲しそうな笑みを向け、「ありがとう」といい、また歩を進めた。

    歩いて少し経った時アスタさんはしまったという顔をして止まる。
    どうしたのだろうと思うとアスタさんは、
    「……バタースコッチパイを焼く火を止めるのを忘れていたかもしれないわ…」
    みるみるうちに真っ青になり、そこで待っていてちょうだいと言い、急いで駆けていった。
    そこで待っていろと言われても、どれぐらい待っていればいいのか分からない。
    10分ほど待ってみたが一向に戻ってくる様子がない。仕方がないので自分一人で進むことにした。
    歩いていると、時々見たことがない見た目の人とすれ違う。すれ違う度に驚かれ、避けられるように感じる。
    彼らがカリビト…なのだろうか。
    そう思うと確かに「仮人」だな…など、失礼なことを考えてしまう。
    「ね、ねぇ…」
    …誰かの声が聞こえる。
    後ろから。後ろは誰もいなかったはずだ。
    私は意を決して後ろを振り返る。
    「あっ…こっち向いた……」
    声の主はかわいい女の子で、服は独特で…ワイヤレスイヤホンを付けている。
    そして……透けている。
    「おっ…おっ……おっ…おばけぇえええええええええええ!!!!!!!!」
    第四章 幽霊の女の子
    「わ、わ、」
    「いやぁああああああああああああああ殺さないでぇえええ!!!!!!!」
    「お、落ち着いて、お化けじゃないよ、あいや、お化けなんだけどっ…」
    その子は焦って私をなだめようとしている。
    その姿を見て段々私は落ち着いてくる。
    「ひぃー…ッ……こ、殺さない…憑り殺さない…」
    「殺さないよ、殺さないよ…」
    そう言う彼女の目は到底人殺しをする者には見えなかった。
    その目を見て安心した私は地面にしりもちをついた。
    「そっか…そっかぁ……き、君の名前は?」
    「あ、えっと、の、ノノ……ノノ・ウィル…」
    「そうなんだ…!私は…チヤメ!」
    「チヤメ…ちゃん?そっかぁ……えっと、その、」
    幽霊の子……ノノちゃんは言いにくそうな顔をしている。
    「えっと……ち、チヤメちゃんと会えたのはとっても嬉しいんだけど……王様の命令で、えと、ニンゲンはこ、殺して、王様に捧げなきゃいけないことになってるんだ…でも…み、みんなホントは、殺したくなんかないから…チヤメちゃんのこと、む、無視をしてるの……」
    ノノちゃんはそう言いながら申し訳なさそうにしている
    「だ、だから、だからね、わ、私、えと、と、友達にな、なりたいんだけど、で、あの」
    段々とどもりがひどくなって行く、そして彼女の目に一粒涙が滲み出てきたとき、
    周りが黒色に染まった。

    ノノちゃんは泣き崩れていて、はやく宥めなくてはいけないのだが…
    目の前にはそれを妨げるように彼女の魔法が攻撃を仕掛けようとしている。
    彼女に敵意があるとは思えない。つまり、戦闘状態になる原因は敵意ではないこと、そして自己防衛が無意識に攻撃することがあるということ。
    今はまだ動かないが、彼女の魔法がいつ動くかも…
    違う。
    動かないんじゃない、溜めてるわけでもない。待っている、私の動きを。
    ターン制…ターン制バトル。ターンで決まっている。さっきの戦闘訓練の時にやった
    戦うか、行動をするか、持ち物を使うか、逃げる、逃がすか…その中の一つをやらないと、時が進まない。
    ありがたい、ありがたいのだが、まるで…
    「……ゲームみたいだ」

    こうどう

    *あなたはノノをなぐさめた

    「……?」
    声が聞こえた気がする、が
    私は取り敢えずノノちゃんを落ち着かせることに専念することにした。


    「ご、ごめんね…ち…チヤメちゃん…私あの…む、昔…から、パニックになると、め、目の前の人、を…か、勝手に魔法が攻撃しちゃって…」
    ノノちゃんは軽く怪我をした私の横でぽろぽろと泣きながら謝っている。
    「大丈夫だよ、ノノちゃん、こんなかすり傷すぐ直るからさ!」
    本音を言うと少し怖かったのだが、彼女を落ち着かせるためには噓をつくことが最善だと思った。
    「それより、も!友達なろうよ!」
    これ以上この話を延ばすのはノノちゃんにとっては酷だと思い、フレンド申請()をする。
    「……いいの?」
    ノノちゃんは申し訳なさそうにこちらを見て言う。
    もちろん、と私は言い、立ち上がった。
    「さ、私もう行かなきゃ。ノノちゃん、また今度ね!」
    そう言い私は駆けだす。
    去る直前にノノちゃんの声が聞こえた気がして振り返るが、ノノちゃんの姿はなかった。

    「ありがと…私の初めてのお友達…」
    第五章 ホーム
    …大きい
    たどり着いた時には本当に吃驚した。豪邸で、同時に、アスタさんがどこに向かったのか分かった。
    戸を叩く…反応がない。
    戸に耳を当ててみると、何やら中で何かをしている音が聞こえる。
    だが、誰かが出てくる気配はない。しょうがないので周りを探索することにした。
    周りは壁で、壁の色は紫。家の前には大きな木が生えている。
    どこもきれいに整備されているが、所々ヒビが入っていたり、ツタが這っていたりする。
    それを見ていると、この状態が維持されることが本当にいいことなのか、疑問に感じて来る。
    そうして周りを探索していると家の戸が開く、そしてアスタさんが顔を出す。
    「まぁ!一人でここまで来たの?いい子ね。ごめんなさいね、迎えに行けなくて…。」
    アスタさんが驚きと安心の声を出しながらこちらに駆け寄ってくる
    お気になさらないでください、とアスタさんに言いながら戸から漂ってきた匂いに意識を向ける
    「…アスタさん、この匂いは」
    そう聞くとアスタさんは「こちらにいらっしゃい」と言ってキッチンまで連れて行ってくれた。
    そこにあったのは少しばかり焦げがついた、焼きたてのバタースコッチパイだった。焦げと言っても、本当に些細なものだ。
    「少し焦げてしまったけれど、上手にできたのよ。冷めるまで、ここを案内するわね。」
    と、アスタさんはニコニコしながら間取りを教えてくれた。
    案内が終わった後は暖炉の前で二人で一緒に本を読んでいたが、そこでふと目に付いた本を手に取る。
    …『カリビトの歴史』。
    『昔、ニンゲンとカリビトは共存していた。
    しかし異形が多いことや、死ぬと体の形を保てないこと。
    何より姿形が似ているだけで、ニンゲンとは完全に別種なことに気味を悪くした人間たちは
    カリビト達を地底に追いやった。
    そして地底の周りに強大なバリアを張り、カリビトを外に出せなくした。
    バリアは相当な力がなければ破壊はもちろん、通り抜けることすらかなわなかった。
    ニンゲンほどの決意も力も持たないカリビト達は、ただ静かに、膨大な時間を過ごしていた
    そのバリアには中の者の腐食や腐敗をある程度抑える力があった。
    バリアが張られたその瞬間に存在していた者は老う感覚を感じずにいた。
    しかし、バリアの中で生まれた者、バリアの外から来た物は例外だ。
    その者たちは例外なく老い、物たちは腐敗し、腐食して行った。
    やがて皆は子孫を作ることをやめ、いつ終わるかもわからない時間を、変わらない毎日を過ごしていくことになった』…
    まるでニンゲンが悪いような…いや、100%ニンゲンが悪い歴史書だった。
    そんな話は学校では聞かなかったし、この山も危険だから入るなとしか、言われていなかったのに。
    まるで、私まで悪者になった気分になった。途端にここに居ることに罪悪感を感じ始めた。
    どうして、平和にならなかったのだろうか?
    もっと、もっと平和な解決策があったはずなのに
    どうしてそんなことを?
    平穏な世界に…
    そう感じ始めた、強い「ケツイ」を抱いた瞬間私は口走っていた

    「ここに、出口はありますか」
    第六章 母の気持ちと、彼女のケツイ。
    「ここに、出口はありますか?」
    そう口走った直接、アスタさんは少し悲しそうな顔をした後
    「…今日は、疲れたでしょう?パイが冷めるまで寝ていた方がいいわ。…起きたころにはきっと冷めているから。」
    と、話をごまかされ、半強制的に子供部屋に押し込まれた。
    部屋の布団に寝転がり、天井を見上げると、途端に睡魔が襲ってくる。
    少しでも睡魔にあらがおうとするが、少しずつ目が開かなくなり、そのまま深い眠りに落ちた。

    ふと気付くと、全面真っ黒な場所にいた。
    どこを見ても真っ黒で、到底光源など存在しないのだが、不思議と自分の手や、足ははっきりと見える。
    目の前を見ると、同じ黒なのに、不思議と周りに馴染まないような、そんな黒髪の、同じくらいの齢と思われる少年が立っていた。片目にバターカップが生えていて、もう片方の目は黒髪の影に隠れてよく見えない。
    彼の口はパクパクと動いているが、肝心の言葉が聞こえない。
    少しばかり少年に近づこうとした瞬間、ベットで目が覚めた。
    ベットから体を起こすと、そこにはバタースコッチパイと、ケータイが置いてあった。
    バタスコパイを四次元ポケット張りの広さを持ったポケットに入れ、ケータイは反対側のポケットに入れる。
    そしてリビングへ向かう。
    そこには本を読むアスタさんが居た。
    「…アスタさん。」
    話しかけるとアスタさんはこちらに気が付き、にこりと笑いかけてくる。
    「あら、おはよう、ねぼすけさん。いっぱい眠れた?」
    そう話しかけてくるアスタさんは、明るく見えるが、少し悲しんでいるようにも見えた
    「おはようございます………その…ここから、出る方法を教えてくれませんか?」
    私は意を決してそう聞いた。すると、アスタさんは何か決意したような顔をして
    「あなたもここを出ていくのね…」と呟いて立ち上がる。
    そして私の横を通り抜けて玄関前の階段を下りていった。
    痛む心を押さえつけて階段を下りると、そこには遺跡の出口のような扉の前に立っているアスタさんがいた。
    「…あなたが、ここから先へ行くというのなら…私を認めさせなさい。この先でも一人で生きていけると、私が神様に誓える程の力を、私に見せつけなさい!」
    アスタさんがそう言い放った瞬間、周りが黒色に染まる。
    …戦闘の合図だ。
    しかし、私はアスタさんに攻撃するつもりはない。絶対に平穏に終わらせてやる!

    炎攻撃に何度か当たりながらもアスタさんを説得する。
    アスタさんは少しずつ、少しずつ。攻撃の手が緩み始める。
    そして、何度目かの説得の後、攻撃が止み、戦闘状態が解除された。
    アスタさんは私に目を合わせず、黙りこくってしまった。
    私はアスタさんに目線を合わせ、こう言った
    「…私は大丈夫です。絶対に死にません、約束します。アスタさんが信じる神様に誓って。」
    と。そう言うとアスタさんはこちらに笑いかけ
    「貴女がそういうなら、私は信じるわ…時々、携帯で連絡してくれる?」
    と、返してきた。私ははい、と言い、アスタさんとハグをする。
    ハグのあと、アスタさんは戸を開けてくれ、私はその戸の奥へ進む。
    最後に後ろから聞こえた声を、胸に抱きながら。

    「どうか、無事でいて」
    第七章 雪景色とギャグ好きなカリビト遺跡の先に進むとまた大きな扉があり、その先へ進む…と
    そこには真っ白な林が広がっていた。急に目に純白が入ってきたため目がチカチカとする。
    目が慣れてきてに気付いたのだが…
    地面をうめる白いものはすべて雪だった。
    地下なのに雪?と思ったが、魔法があるなら雪も降るか、と自分で納得して先に進む。
    サクサクと雪を踏みしめながら先へ進む。たまに落ちている木の枝を踏んで、パキッという音が鳴る。
    しかし、ある程度歩いたころに気付く。
    足音が二つ。私の足音と…もう一人だれか。
    「ニンゲン。」
    唐突にもう一人の誰かに話しかけられ体が跳ねる。
    「初めて会うのに挨拶も無しかい」
    後ろの誰かはつらつらと言葉を紡ぐが、こっちは恐怖で一言も言葉が出てこない。
    「こっち向いて、握手しようよ?」
    と言い、後ろの誰かは手を差し出す。
    私は目をつぶり、覚悟を決めて後ろを振り向き、手を掴む。

    「ハジャッピ!!」
    ボフゥー…

    私の奇声とともに何とも気の抜ける音が鳴る
    そんな音に私は目をぱちくりさせる
    それを見て、相手は吹き出して笑い出した。
    「あっはっはっはっは!!!!あははは!!!はじゃっぴってなにさ!!!wwwんっふふふふwww」
    その瞬間、被っていたフードがはらりと落ちて、顔が見える。
    …女の人だ。
    オレンジのふち付き眼鏡をかけた、女の人だった。
    「あ、あのー…」
    「んふふwwwごめんごめんww、名乗るの遅れちゃったね。
    その女性は一度コホンと咳払いをしてもう一度口を開く。

    「あたしの名前はミルト。ミルト・ロウだよ。よろしくね?」
    あとがき
    予告編を投稿してからかなり時間がたってしまいましたが、「AGENTTAIL」1話目です!
    ここまで見て頂き、誠にありがとうございました。
    2話がいつ投稿されるかなんて僕は知ったこっちゃありませんが(((
    のんびり更新を待ってくれればと思います。それでは!
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