No one but youウェドはなんとも言えない気まずさに頭を抱えていた。
夜の魔力とは恐ろしいものだ。大事なことを伝えるなら太陽の見ている間にしろと言ったのは一体どこの偉人だろう。全くもってそのとおりである。
そうだ。…言ってしまった。
愛していると、伝えてしまった。
そのうえ自制することもなく夢中で求めてしまった。
(くそ、なんてこった……もっと他にうまく伝えようがあったろうに……あれじゃ勢いに任せて言ったみたいじゃないか……)
目を覚ますとそこは宿の寝台の上で、少し離れたところにあるテーブルではすっかり身なりを整えたテッドが朝食をとっている。
昨晩の出来事が頭の中で鮮明に再生され、テッドになんと声をかけたものか頭の中でぐるぐると言葉を巡らせながらのそりと起き上がった。
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