秋、放課後の公園にてあれから俺らは連絡先を交換して、時間が合えば公園で待ち合わせて会うようになった。
「お、おまたせ、しました!すみません、部活の勧誘がすごくて遅くなっちゃいました!」
「高校生は大変だなァ。」
「えへへ。」
息を切らしながら走ってきたコビーと合流してベンチから立ち上がると、手を繋いで街に出た。
手を繋ぐのは再会した日以来。久々に触れ合って、コビーにもバレちまいそうなくらい心臓が跳ねてる。
「あ、あの…ヘルメッポさん。」
「ん?」
「ぼく、今すごくドキドキして…ヘルメッポさんの手、初めてじゃないはずなのに。」
あー、ドキドキしてんのは俺だけじゃなかったんだな。安心した。それより何より、コビーが真っ赤な顔を少し長いセーターの裾で隠すものだから逆に落ち着いてきた。
連れ帰りてぇけど今は我慢。早まっちゃいけねぇよな。
いつもなら飯食いに行ったりゲーセン行ったりカラオケ行ったり、今日もそのつもり、だった。
「今日は、その……ぼくの家、来ませんか?」
「………はい?」
コビーの方から言い出すとは思わなかった。まだ荷物片付ききってないんですけど、と照れながら笑う。あまりに可愛くて、断るなんて選択肢なんか出てこなかった。
あ、そういえば、さっきコイツ、小指絡めてきたよな。たしかそれは昔に二人で決めた行為の合図で…
「ダメですか?」
上目遣いはズルい。
「行く。」
即答した。