クロデュ派生しょごヴァレ モンスターが「擬人化」するウィルスがバラ撒かれた。
マスターと言葉で意思疎通できるようになったのは良いが、@イグニスターたちが揃って幼児だったため上を下への大騒ぎになり、爆発オチに巻き込まれ――飛ばされてきた先がここだったというわけだ。
「なるほど。こちらも似たようなものだけど」
少年――ヴァレルロードは、私の話を静かに聞いた後、淡々とそう言った。彼も彼のマスターのところで発生した爆発オチに巻き込まれて飛ばされてきたらしい。
「ヴァレットたちがパニックになってみんな爆発してしまったんだ」
あちらはあちらで大変そうだ。
「それにしても、ずいぶん小さい姿になったんだな」
「出会った時のマスターの姿だよ。お互いにね」
ヴァレルロード・ドラゴン。幼い人間の姿をして状況を確認している彼は、普段ブレスを吐きあっている時の豪快な印象とは裏腹に、思いの外落ち着いた様子だった。外見の影響があるのかもしれない。
彼は出していたパネルをすべて閉じると、雑談を終わらせるように私の目を見て言った。
「ウィルスの影響でサーバーが不安定になっている。マスターのところへ帰るなら覚悟が必要だ。辿り着く頃には事態が解決しているかもしれない」
「わかった」
それならば、善は急ぐべきだろう。
私は小さなヴァレルロードを小脇に抱え、マスターの気配がある方へ飛び出した。
「シルフのようだね、きみは」
「私は光属性だ」
天然なところもマスター似なのだろうか。