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    sijimi443world

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    sijimi443world

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    初めて浴衣を着た⚰️と🚬の話
    アジア圏に似た文化のウータイってほんと便利(言い方)

    「この服、涼しくて快適だな!」
    瞳と同じ蒼色の、異国の民族衣装に身を包んだシドが、随分と機嫌良さそうに前を歩いている。
    これはウータイの民が夏場に着るという、「浴衣」という服だ。断ったのだが、何故か私まで強制的にこれを着せられ、更に髪まで結われるという始末だ。
    しかしこの服は、一般的なものと比べて随分と軽装だ。心做しか、少し落ち着かない。
    …こんなに、胸をはだけさせて着るものなのか?
    「おい、ヴィンセント!しけたツラしてんなよ、もうちっと嬉しそうに歩け!」
    「履物のせいで歩きにくいんだ」
    それは我々のよく知る、サンダルと形が似ていたが少し違っていた。
    木と紐を組み合わせて作られたもので、彼等は「下駄」と呼んでいたか。シドは何故かこれを履きこなしているが、私はどうにも慣れず、うまく歩けずにいた。
    「オメェよぉ」
    「なんだ」
    「服も髪型もせっかくいい感じなのによぉ、歩き方のせいで全部台無しだな?生まれたてのチョコボでももう少しちゃっちゃと歩くぜ?」
    「だったら肩を貸してくれ」
    シドが返事をするよりも早く、私は彼の肩に腕を回した。
    「くっつくんじゃねえよ」
    「冷たいことを言うな、嬉しそうに歩いてほしいんだろう?だったら協力してくれ」
    「なんでオレ様がんなこと…!」
    「これを着ろと言ったのはあんたじゃないか、責任くらい取ってくれ」
    「……う」
    この赤い浴衣を着ろと言ったのも、髪を結えと言ったのも、そして、その髪を留める飾りを選んだのも、全てこの男だ。
    シドの我儘を全て聞いたのだ。私にも、彼に我儘を通す権利はあるはずだ。
    彼の肩を借り、異国情緒漂うウータイの街並みを下駄を鳴らしながら歩いた。
    そして赤い橋の上で、ぼんやりと空を眺めた。もちろん、肩は組んだままで。
    「…日も暮れてきたな」
    「…おぅ」
    夕日で照らされているせいか、それとも別の理由かは分からないが、シドの頬はほんのりと紅く染まっている。
    「…ヴィン」
    「どうした?」
    「……似合っ、てるぜ。その…簪…とかいう飾り」
    そう言い終わるや否や、シドの顔がますます紅くなった。大きく開いた胸元も、ほんのりと染めて。
    「ありがとう…シドもよく似合っているぞ」
    そう耳元で囁いたのが相当効いたらしく、シドは私の腰の辺りを強く抓み、胸元に顔を埋めて黙り込んでしまったのだった。
    この男は、こう言うところが可愛らしい。
    …少し早いが、もう切り出してもいい頃か。
    「シド……どこか、静かな場所に行こう」
    シドは静かに頷き、私の腰を支えて歩き出した。
    私の我儘は、まだ全て聞いてもらっていない。
    夜は長い。これからたっぷりと、彼に聞いてもらうつもりだ。
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