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    96ume_am9

    @96ume_am9

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    96ume_am9

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    先月くらいにTwitterで言ってた「身体がゲーミングカラーに発光するようになってしまった天津垓の話(未完)」の供養上げ
    だいたい3500字くらい

    ※ギャグです
    ※Vシネ経由せずゲンムズ通過してる世界線です

    天津と1670万色の呪い「ご足労感謝するよ、仮面ライダーの諸君」
     まだまだ厳しい暑さの続く、8月半ばを過ぎた頃。
     ライダー達が呼び寄せられたのは、サウザンインテリオン社屋。オフィスの中心で革張りの回転椅子に腰かけたまま、天津垓は重々しく告げる。
    「さて、突然だが今の私は深刻なトラブルに悩まされていてね」
     窓の外は曇りがちだというのに、照明はすべて切られていた。薄暗い部屋の中、彼はアンニュイな様子で目を伏せ、小さくため息をつく。

    「数日前から、身体が発光するようになってしまったんだ」

     天津が口にするや否や、その全身は眩い虹色の閃光に包まれた。いわゆる「ゲーミングカラー」と呼ばれるきわめて鮮やかな発色だ。
    「……見ての通りだ。決して冗談ではない」
     発光していたのはせいぜい1秒間にすぎなかったが、今しがたの出来事は超常現象としか言い様がない。天津に召集された一同は、視線を彼に固定させたまま呆然としていた。

    「えぇぇーっ、なに今のっ!? 皆も見たよね? 俺だけに仕掛けられたドッキリとかじゃないよね?」
     驚きを露に沈黙を破った飛電或人が、周囲の面々を見回しては騒がしく問いただす。
    「随分凝った手品だな。……で、見せたいもんはそれだけか? 俺はもう帰るぞ」
     また面倒な事に付き合わされそうだとばかりに、しかめっ面の不破諫が席を立つ。
    「待ちたまえ、私の話はまだ終わっていない」
     そんな彼を天津はやれやれと言いたげな様子で引き留めた。

    「今のところ、詳しい原因は分かっていないんだ。しかも厄介なことに、発光は私の意思と関係なく行われる。就寝時だろうとお構い無しに光るせいで、ここ数日は睡眠不足だ。手短に言おう」
     いちど欠伸を噛み殺して、彼は話し続ける。
    「一緒にこの不可解な現象をどうにかしてほしくてね。勿論、礼は惜しまない」

    「私からも、どうかお願いします」
     来客用のカップへ丁寧に紅茶(ヒューマギアの彼らには冷却水)を注いでいた厘が、深々と頭を下げた。揺れる長い髪の奥に覗く表情は、真剣そのものだ。
    「天津社長がこのままずっと戻らなかったらと思うと、私も心配で……」
     彼女の足元では、ロボット犬のさうざー達が悲しげにクンクン鼻を鳴らしている。見る者に訴えかけるような彼らの瞳は、可愛らしくいじらしい。

    「ちょっと待て。力を貸す貸さない以前に、まず理解が追い付かないんだが」
     突飛な出来事を目の当たりにしたせいで頭が痛むのか、こめかみの辺りを押さえながら刃唯阿は言う。
    「先に情報を整理させてくれ。そもそもどうして……その、身体が光るようになったんだ?」
    「ああ、原因もなしに人体が発光するなど聞いた試しがない。何か妙なものを食べたり、怪しい物に触れたのなら話は別だが」
     彼女の言葉に滅が続いた。心当たりはないかと眼差しで問われた天津は「ふむ」と首を傾げる。
    「特にないな。ここ一週間は至っていつも通りだ。……いや待て、強いて言うならば」
     そうして彼の回想が始まった。


     先日天津は、厘と一緒に社内倉庫の片付けをしていたという。その時、片隅に見覚えのないゲーミングパソコンが放置されていることに気付いたのだ。

    「おや? こんな型の古いPCなど持ち込んだ覚えはないが」
    「前にここを使っていた方が、忘れていったのでしょうか」
    「仕方ない、処分しておくか。汚れも酷いから使い物にならないだろう」


    「……そのゲーミングPCを捨てた以外、変わったことはしていないな」
    「いや、どう考えてもそいつが原因だろうが!!」
     心底不思議でたまらないという顔をした天津に、場を同じくする全員の代弁として雷が鋭い突っ込みを入れた。

    「天津様。処分したゲーミングPCとは、そちらに置いてあるようなものでしょうか」
     そう言って、イズが部屋の隅を指す。その先にあったのは、埃を被った型落ちのゲーミングパソコン。ちょっとしたテレビくらいに大きな液晶画面は、何故か物々しいオーラを放っている……ようにも見えた。
    「バカな! 1000%その日のうちに、回収所まで持って行った筈だ」
     冷や汗を滲ませた天津の顔がさっと青ざめる。しかし、直後にはまた極彩色の発光が上書きしていった。何とも悪夢めいてシュールな光景だ。
    「はい。私も確かにそう記憶していますが、廃棄したものと特徴が一致しています。これは一体……」
    「ま、まさか、怪談ものでよくある『何度捨てても戻ってくる呪いのアイテム』的な? 怨念が本当におんねん!?」
     不安げな厘につられてか、或人も言葉尻を僅かに震わせる。
    「……っ!」
     その一方、ホラーの気配漂う中で放たれた彼のギャグ(もとい駄洒落)は、不破の腹筋を密かに震わせていた。

    「待て待て。ゲーミングPCの呪いなど前代未聞だ。1000%あり得ない」
     慌てたように首を振った天津が異議を唱える。
    「仮にそうだったとしても、私は所有地内の不要品を然るべき方法で捨てただけだ。呪いを受ける謂れなどあるものか」
     寝不足で心身共に弱っているのか、語気は普段よりも弱々しい。

    「それに関しては、私も同情します」
     意外にも、彼の主張を最初に支持したのは亡だった。普段通りの冷静な声色で彼女は言う。
    「前例がないため圧倒的にデータ不足ですが、ひとまず策を練ってみましょう」
    「亡の言う通りかもしれない。僕もオカルト的なものは専門外だけど……放っておいても戻らないなら、多分何かする必要があるんだよ」
     或人のギャグに悶絶する不破をやや引き気味に観察していた迅も、ようやく天津へ視線を戻した。
    「あと、万が一それが僕らにも伝染ったら嫌だしね」

    「なぁ社長。今まで飛電が造ったヒューマギアの中には、坊さんとかもいたんじゃねえか?」
     こういう案件はスペシャリストに頼むのが筋ってもんだろ、と雷は訊く。
    「ああ、そうしたいのは山々なんだけど……ほら、ついこの間までお盆だっただろ」
     歯切れ悪く答える或人に代わって、イズが一歩前へ進み出た。
    「現在わが社が派遣できる僧侶ヒューマギアは、全ての個体が一斉メンテナンス中です」
     繁忙期を終えた社員に休養を取らせるのも企業の務め。さほど長期間でないとはいえ、天津にとっては死活問題のようだが。
    「この発光現象と共に、あと何日も過ごせと? 気が狂いそうだ……」
    「社長、しっかり!」
     目眩を起こしたらしく、覚束ない足取りの彼を厘がなんとか支えていた。

    「ねぇ、僕思ったんだけど」
     突然はっとしたように口を開いた迅に、一同の注意が向けられる。
    「サウザーがパソコンの怒りを買ってこうなったんだとしたら、逆に喜ばせたら許してもらえるんじゃないかな」
     「どうだろう」と自信なさげな息子の肩を優しく叩いたのは、すぐ傍に立つ父親だ。その近くでは兄貴も力強く頷いている。
    「成程、裏付けとしては充分だ。……ならば、ゲーミングパソコンの機嫌を取るということは」
    「ええ。『沢山ゲームで遊んであげる』以外ないでしょう」
     滅と視線交わした亡の言葉で、天津は何かを思い出したらしい。
    「そうだ、ゲームといえば……! 私としたことがすっかり忘れていた」
     彼はおもむろに椅子から立ち上がると、デスクの引き出しを探り始めた。

    「先日、ゲンムコーポレーションの社長だという男に絡まれ……いや、知り合ったんだが」
    「ゲンムって、あの有名なゲーム会社のか?」
    「えっ! 俺子供の頃、マイティのゲームめちゃくちゃやりこんでたよ。すげーっ」
     何故ZAIAとも繋がりのなかった大企業が、と訝しげな唯阿とは対象的に、或人は興奮した様子で身を乗り出す。
    「彼が開発中だというゲームデータを幾つか置いていったんだ。テストプレイしたデータを寄越せとうるさくて困っていたが、まさかここで役に立つとは」
     何度目かのゲーミング発光と共に天津が取り出したのは、データの入ったHDD。
    「おい1000パー、急にチカチカ光るんじゃねぇ! 目がおかしくなる」
    「仕方ないだろう、私の意思でコントロールできないんだ」
     不破の抗議を受け流しながら、天津は尚も虹色の輝きを放ち続けている。
    「何だかパレードの電飾に見えてきました。ほら、前に唯阿と行った遊園地の」
    「ぷふっ、エレクトリカル天津……っ!」
     亡の呟きを聞いた唯阿が、憚りもせず肩を震わせて笑う。
    「笑いすぎだよ、バルキリー……」


    (↑小説としてまとまったのはここまで)
    (↓以下、ざっくりメモしただけのシーン集)


    【レーシングゲーム編】
    「今です或人社長、そこでインド人を右に!」
    「オッケー、イズ……えっ待って、インド人って何!?」

    【ゾンビサバイバルゲーム編】
    「無駄に物音を立てるな、不破。ゾンビは音に反応するんだ、群れに見つかったらどうする」
    「その時はまとめてぶっ潰せばいいだろ。俺はひとりでもこの先に行く」
    「待て、勝手に進むな!」

    厘「社長、見てくださいっ。あのお二人、先程からずっと言い争っているのに連携は完璧です……!」
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