手紙「フロイドが好きだ」
そう自覚したのはいつのことだろうか。
タイミングなんてどうでも良くて、それより片割れ、家族としての好意だけではなく、それ以上であったことに衝撃を受け、それと同時に心の引っかかりが取れたような気がした。
だが、よかったと思ったのは少しことで、すぐに〝この気持ちがあの子を縛ってしまうのでは〟という感情が僕の心を埋め尽くした。
伝えなければ、隠せば大丈夫と思いながら過ごしてきたが、感情は膨れ上がるばかりだった。
このまま一緒にいれば自由を奪ってしまう、あの子から離れなければと思いはじめたのはその頃だ。
四年生になったある日「ねえ、ジェイド」と内緒をするかのように同じベッドの上に横になり、卒業後の進路について話してくれた。
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