朴念仁の覚悟　去年卒業した先輩が死んだらしい。

　そんな噂が忍たまたちのあいだを触れ回ったのは、四年生の冬のことだった。
　名前を聞けば「あぁ、あの」となる程度には知っていて、涙が出るほど親しくはなかったその先輩は、どうやら忍務の途中で敵の罠に落ちたらしい。
　罠といっても二年い組の綾部喜八郎が狂ったように掘るような物理的なものではなく、もっと巧妙で悪どいものだ。平たく言えば欲に溺れた。あるいは色に囚われたとでも言うべきか。
　くれぐれも敵方の城の女中になんぞ惚れるもんじゃないぞ、と当時の会計委員長に釘を刺された俺は、忍者の三禁を決して破るまいと心に誓ったのだ。

　恋とは恐ろしい。命がけの実習を積み、難関な試験に合格して卒業した先輩が簡単に引っかかって命を落とす。色事の得意な仙蔵と違って未熟な俺が溺れれば、たちまち全てを奪われてしまうに違いなかった。

あとがきはじめまして。野呂と申します。
このたびは拙作をお読みいただきありがとうございました。
軍師からの初心者です。年明けに布教されて気付いたら底なし沼にいました。怖い。
忍たまに限らずずっと女体化は興味なくて「なんで女体化するんだ男同士だからいいんだろ！」と思ってたんですが、4年生と女体化の親和性が高すぎて「ハァ〜ッ？かわいい以外に理由がいるかよ馬鹿野郎！！！」て過去の自分ボッコボコに殴りました。思想すら塗り替える4年生すごい。
みんなかわいい。本当にかわいい。卒業後を考えるとちょっとヘコむけどみんな健やかに育ってほしい。そう思いながら原作もアニメもまだまだ履修中です。みんなかわいいみんなだいすき！

◯設定的なもの