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    くさかべ

    @monimoni_are

    ↑成人

    すっかりケイゴ。ウルケイかモイケイのケイゴ受け。
    何かあったら↓まで
    拍手をぽちぽちして頂けるだけで元気が出ます。
    無駄にツールが沢山ありますがお好きなのでどうぞ。

    wavebox
    https://wavebox.me/wave/76solsykl34ias2p/

    マシュマロ
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    くさかべ

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    結局モイケイがヒソヒソと仲良くしてるのが好きっていうところある。

    毎日SS8/16「……ッ!」
     心臓を握り締められたような苦しさに目が覚める。慌てて飛び起きれば、体じゅうに汗をかいていた。
    「夢か……」
     起きてしまえばそう思えるのに、夢の世界では冷静になれない。
     パジャマ代わりのTシャツは寝汗でぐっしょりと濡れてしまい、着替えようとベッドから出る。
     適当なTシャツに着替え、すぐに寝直そうと思ったが、喉が渇いた。
     少しの物音では起きないと思うが、ニコを起こさないようにそっとドアを開け、キッチンへ向かう。
     廊下に漏れる光で、キッチンに誰かいることに気付いた。
    「なんだ、まだ起きてたのか」
    「あっ、モリヒト!いや、もう寝ようと……」
     明日は休みだ。深夜のカップ麺は頂けないが、いちいち咎めるつもりはない。
    「こんな時間にカップ麺はやめておいた方がいいぞ」
    「いやー、はは……」
     咎めるつもりはなかったのに、つい口に出してしまう。ケイゴが、食べ終えた空き容器を隠すようにすすいだ。
    「モリヒトはどうしたの?」
     このままでは分が悪い。珍しくこの時間に起きているモリヒトに、どうしたのか聞くことによって誤魔化した。
    「変な夢を見て目が覚めた」
    「へぇ、どんな?」
    「それが全然覚えてない。でも、喉が渇いたから」
    「麦茶飲もうって」
    「そうだ」
     中身をすすいだカップ麺の容器をシンクの中に置く。ケイゴが、プラスチックをきちんと分別することを見届け、洗い上げたコップを探した。
    「あっ、モリヒトちょっと待って」
     透明のガラスコップを取り、冷蔵庫の麦茶を取り出したところをケイゴに制される。
    「なんだ」
     一応返事はしたが、とにかく喉が渇いた。麦茶をコップに注ぎ、一気に飲み干す。
     麦茶を冷蔵庫に仕舞うのと同じタイミングで、ケイゴが牛乳を取る。食器棚からモリヒトのマグカップを出し、そこに牛乳を注いだ。
    「ちょっと待ってて」
     耐熱マグカップを電子レンジに入れる。何がしたいのか明白だったが、何も言わずにそれを見ていた。
     チン、と電子音が鳴る。そのまま渡されるのだろう、と手を伸ばしたが、手渡されることはなかった。
    「はい、これ」
     コーヒーはブラックで飲むことが多いが、各種コンディメントは用意してある。ホットミルクに蜂蜜を垂らし、それをモリヒトに渡した。
    「なんだ、これ」
    「あったまるよ」
     今さっき汗をかいたばかりなんだが。キッチンに甘い香りが漂う。
    「あー、寝れない時とか、母さんがよくこうやってホットミルク作ってくれたんだ」
    「そうか」
     ケイゴの母親を思い出す。優しそうな人だった。モリヒトの母親は小さな頃に死んでしまったから、眠れない夜にこうやってホットミルクを作って貰った記憶はない。
    「ごめん、なんか……余計なことした?」
     マグカップを持ったまま、白い水面を見つめていたら、ケイゴが横から伺うように声を掛けた。
    「いや、なんでもない」
     考えごとをしていたらしい。ケイゴに声を掛けられ、初めて気付いた。ふ、とホットミルクに息を吹き掛け、マグカップに口を付ける。冷蔵庫に常備しているものの、牛乳を飲むのは久し振りだ。
    「牛乳なんて普段あんまり飲まないんだけどさ」
     優しいミルクの香りと共に、甘い味が胃に広がる。
    「嫌なことあった時とか、怖い夢見た時とか、なんか沁みるの」
     確かに。口には出さなかったが、そう思った。しかし多分、それはケイゴが作ってくれたからだ。
     自分で温めたミルクに蜂蜜を入れたとしても、こんな気持ちにはならない。
    「ありがとう」
     自然と言葉が溢れた。どんな夢を見たか、なんてもう覚えていないし、その時に感じたこともすぐに忘れてしまった。
    「だからさっきカップ麺食べてたことは許して」
     ケイゴが顔の前で両手を合わせる。
    「許すも許さないも何も、関係ないだろ」
    「うっ、その態度が辛い」
     がく、と肩を落とすケイゴがおかしくて、口元を緩めた。ホットミルクのおかげで、表情筋が柔らかくなったのかもしれない。
    「ごちそうさま」
     飲み終えたマグカップを軽く洗って水切りかごに置いく。時間にしてわずか十分ほどのやり取りだが、嫌な夢を見たという後味の悪さを忘れてしまった。
    「……また嫌な夢を見たら、作ってくれ」
    「うん!もちろん!」
    「その時は叩き起こすからな」
    「それはちょっと……」
     くすくす、と小さな笑い声がキッチンに溢れる。良い夢が見れそうだ。
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