私が今この様に腕を麻縄で縛られ、鴨居に吊るされて放置されてるのは私の責任だと理解してます。この行為を彼はお仕置きだと言いました。でもこれをお仕置きと取るかご褒美ととるかは私次第なのです。
猗窩座の赤く短い髪が悲鳴嶼の頬をサワサワとくすぐる。涎に濡れた唇を首筋に這わすとジュウと強く吸いつき悲鳴嶼の鼻から息が漏れた。
悲鳴嶼「あきまへん猗窩座はん、口付けの跡だけはつけてはあきまへんと言いましたやん」
猗窩座「そんなこと聞いとらんな、つけられて都合でも悪いことでもあるのかいや?むしろ俺にとっては印をつけられて好都合やさかい」
猗窩座は自身が愛した形跡を、柱、または上弦の壱と弍に見せつけてやりたいのだ。
こいつはわしのイロじゃ、と。
和室に敷かれた布団は悲鳴嶼が横になると子供の布団の様に思われた。更にそこへもう1人の男が加わると布団などほぼ機能してないのと一緒だ。
猗窩座「ああ、そんなに身を捩ると畳の跡がついてしまうで、まあお前は跡をつけてもろた方が喜ぶか」
悲鳴嶼「そんなことおまへん」
強くぎゅうっと猗窩座に握られて畳に押し付けられた手の甲は血を滲ませていたが、悲鳴嶼は薄っすらと笑みを浮かべていた。
「お主は酷くされることを好むのか…」
熱を帯びて潤んだ六つの瞳が悲鳴嶼を見つめると、大きくかさついた男の手がグイッと双璧を左右に広げる
「せやかて黒死牟はんっ」
その突然の仕草に自然と嬌声が口を割って出てくる
黒死牟「ほう、見事な椿の蕾だ…」
悲鳴嶼「そんなに見つめなさんな」
悲鳴嶼は普段は写経をするための机に両手をついて、黒死牟に自身の秘部を晒している
私の心を落ち着ける場所が、私の心を掻き乱す
試しに平常を保とうと心の中で南無阿弥陀南無阿弥陀…と唱えてみる。
しかし
な、なめたい!
む、むごくして!
あ、ああ!
み、見て!
だ、抱いて!
ぶ、ぶって!
つ、唾吐いて!
すぐに本心という名の雑念が邪魔をするのである。
長く尖った爪が悲鳴嶼の桃色の小さな実を引っ掛けツンと弾く
悲鳴嶼「ああっ取れてしまいそう!」
童磨「こんなに喜んで顔を出してるのに取れるわけありまへんやろ、むしろもっといじめてぇと鳴いてますわ」
童磨は虹色の瞳を爛々と輝かせると、両の指で悲鳴嶼の乳首をピンっと弾く
童磨「こーねこねこね、乳首の子、まんまる、真っ赤な、男の子」
リズミカルに弾く童磨の乳首ピアノに合わせて、悲鳴嶼は悦びに体をくねらす。
開け放ちてる襖からは悲鳴嶼邸の広大な庭が望める。
そこには池を泳ぐ鯉も、暗闇を舞う蝙蝠も、岩の上で体を休める亀も全て一堂に会して、童磨の奏でるリズムにうっとりと身を委ねていた。
何を隠そう、悲鳴嶼は気まぐれシェフのように日替わりで鬼の体を誑かしていた。何故かと問われればただ己の欲望に忠実なだけだ。体が疼くから、私の秘孔を責めて欲しい、ぱっくりと口を開けて、男の欲望をそこに注いで欲しい、それらのためのひとつの手段に過ぎなかった。
しかしそんな淫らな愚行も無惨にはお見通し。
唇を貪り合うと行冥の手は相手の膨らんだ股間を壊物に触れるかの様に優しくなぞる
自分の手でむくむくと膨れ上がる男根が嬉しくて、早く菊門に挿れて欲しいと心が躍る
「ねえ、」
悲鳴嶼は己の褌をするり、と解く仕草をすると
「きて…」
と無惨を誘惑する。
無惨「お前さん、他の男と寝とるね?正直に言ってみんしゃい」
悲鳴嶼「何をおっしゃるの?私にはあなただけよ、あなたにしか興奮しないわ」
無惨「よくそんな嘘を…これでも言えるかい?」
無惨が部屋の襖が開くと、布で猿轡をさせられ、体を亀甲縛りにされた上弦の鬼達が横並びに正座させられている。
それらを悲鳴嶼は気配で感じた。
みな一様に下を向きなんとも言えない顔だ。
悲鳴嶼「なんてことを無惨はん!」
無惨「その言葉をお前が言うかね?関係を持った男たちの目の前で、褌姿でM時に足を開いて畳の上に腰掛ける姿は滑稽やね」
悲鳴嶼「そんなご無体な…」
無惨は立ち上がると上弦の鬼達の1人の前に立ちはだかる。すっと片足をあげて、器用に足の指で猿轡を下げた。
「上弦の参、猗窩座よ、悲鳴嶼とはどの様なプレイをしたのか答えてみ」
悲鳴嶼「答えなくていいのよ!私たちは何もしてない!そうでしょう?!」
悲鳴嶼はたまらず猗窩座に向かって叫ぶが、猗窩座は苦虫を噛み潰したような顔をするとぽつりと小さく言葉を発する
猗窩座「畳の上でズリズリと体を重ねて、擦り傷が出来るのも関わらず、熱く柔らかく解れた火口に、灼熱の棍棒を突き刺してズポズポしました。その時背中が擦れて痛いのも気持ちいいし、あなたの棍棒も溶かしちゃいそうと言われました」
悲鳴嶼「やめて!そんな恥ずかしいことを言うのは!」
しかし無惨は悲鳴嶼の声は聞かず次に上弦の壱の黒死牟の前に立ち、猗窩座と同じように足で猿轡を外した。
無惨「上弦の壱、黒死牟よ、お前はどんなプレイを繰り広げた?」
黒死牟「はい…写経に使う机の上にやらしいでっぷりとした桃尻を乗せ、足を開くとゴルゴタの丘の十字架の様にそそり立つ肉棒を見せつけられ、あなたの唇でわたしの十字架を犯して欲しいと懇願されました…無我夢中でペロペロし、ジュポジュポし、ヌクヌクと口で吸ったり舌で転がしたりして止めどなく溢れ出るやらしいジュースを沢山飲みました…」
悲鳴嶼「やめて!そんな恥ずかしいことを言うのは!」
同じセリフを叫ぶ悲鳴嶼に無惨はギロリと冷たい視線で一瞥をすると、最後の1人の童磨の前に立ち、上弦の壱、参と同じように猿轡を外し声をかける
無惨「上弦の弍、童磨よ、悲鳴嶼はどんなプレイを好んだ?」
童磨「せやなあ、悲鳴嶼さんはえらいやらしい男なもんで、隊服を剥いておっぱいを見せつけてくるんよ、盛り上がった白い山に赤い桜桃が実っとったら誰だって口に含まない手はありまへんやろ?せやから爪先でツンと弾いて実をたわわにしてから牙で優しく食んでやるんよ、先が少しでも食い込むと、そこ!もっといじめてやって!って嬉しそうに鳴きますまんでね、そら止まらんもん、すぐさま猛った自分の肉棒をずっぷりですわ」
悲鳴嶼「やめて!そんな恥ずかしいことを言うのは!」
しかし無惨は見逃さない、恥ずかしいわと身を捩る褌姿の悲鳴嶼の股間がはち切れんばかりに盛り上がり白い布を押し上げていることを。
無惨「男達を、それも上弦の鬼達を手玉にとって楽しかったかい?どの男が1番良かったか覚えてるかい?」
両手を畳についてすがる様な姿勢の悲鳴嶼の前に無惨は立つと、その器用な足先で褌をスッとずらす。上弦の鬼達の赤裸々な告白に興奮した悲鳴嶼のペニスは立ち上がり、歓喜の涙に濡れていた。
無惨「ほな最後のお仕置きとしましょか」
無惨は悲鳴嶼の両手を取ると、慣れた手付きで持参した麻縄を結ぶ、するすると、あれよあれよと締め上げると鴨居に結びつけて両手の自由を塞いだ。
普通の感情であれば屈辱でもあり恥でもある赤裸々な3人の告白だが、悲鳴嶼にとってはそれは刺激的なスパイスでしかなかった。
更には一度に4人も相手に出来るのね、と興奮してお尻がきゅんきゅん鳴いてるのがわかる。
全裸で両手を縛られて仁王立ちになる悲鳴嶼。
口腔を犯される、長い舌で自身の舌を吸われ絡められジュルジュルと音を立てられる。
ぷっくりと立ち上がった乳首は爪で弾かれ十文字にきゅっと跡をつけられる、痒くもないのに。バブバブと赤ちゃんの声がする、男なのも忘れて母乳が出そうな感覚になる。
秘孔にヌルヌルと舌が這ってる、シワの一つ一つを愛しくて思うように舐めて吸われ、ぱくぱくと魚のように呼吸してるのが自分でもわかる。
他の誰よりもそそり立つ巨大な塔、男の優しい舌遣い、竿にそって舐められ亀頭をコロコロと舌で転がされる。
誰が、どこを、どのように嬲っているのかなんて、悲鳴嶼にはあまりの気持ち良さと頭がクラクラする快楽でどうでも良かった。
「そう!ただ!わたしを犯してくれさえしてくれればそれだけでいいのよ!!」
どれだけ時間が経ったのか、腕を縛られ立ったまま気を失ってた間に朝になっていた。
目眩く肉弾の世界、もう2度と味わえないと思うとわたしには残酷な仕置きでもあり、素晴らしい時間を過ごせたことは褒美でもあった。
放置され、昨晩のことを思い悦に入っていた悲鳴嶼を見つけたのは玄弥だった。
「なにしてるんすか悲鳴嶼さん、朝餉の時間なんすけど」
どうして結ばれてるのか等問うこともなく、複雑に結ばれた麻縄を小慣れた手つきで鴨居から解きながら言う。
「少し擦れてますね、軟膏用意するんで持ってきます」
悲鳴嶼を置いて部屋を出た瞬間、ぽちゃんと池から音がする。麻縄を玄弥が池に放ったのだ。
水に落ちたその衝撃で、餌と勘違いした鯉達がわらわらと集まり麻縄を突いた。
それは食えない、ただの縄であるのに。
完