弱いじゃなくて、可愛い その日はエダリ村の住人からの依頼が終わり、その報告をしに戻るところだった。途中、ラーカス村に山脈越えの準備をするために立ち寄ったが、エダリ山脈をこれから越えるにしては夜も更けていたので一泊することにした。
夕飯までの間は自由時間とし、普段は主であるレティシアに付き添っているアベラルドもラーカスが小さい村であり、仲間たちも周りに点在していることから一時の休息を1人で取っているところだった。
そんな中アベラルドに声をかけたのはマリエルだった。
「あの、アベラルドさん。ひとつ伺いたいことがあるのですが」
「どうしたんですか、そんなに改まって」
なんだかソワソワした様子のマリエルに多少の嫌な予感を感じた。
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