大人の余裕 カラム隊長と婚約した。
幸せいっぱいで、未だにふよふよという浮遊感で足元が覚束無いほど浮かれている。
………のだけれど。
「…………プライド様、どうなさいましたか?」
「…………」
目の前にはカラム隊長。婚約してから定期的に二人きりの時間を設けるようになった。それはいい。いいけれど………カラム隊長はこの通り、敬語を外してくれません。確かに、私は第一王女だし今までこの距離感だったけど!!私は………普通に、恋人のように話したいのに。
そこまで考えて、首を振った。
「………なんでもありません」
「………プライド様、失礼します」
「!」
カラム隊長はそう言ってそ、と私の手に自分の手を重ねてきた。ぴくり、と身体が揺れてしまう。カラム隊長の温かい手に顔の熱が上がる。でも、カラム隊長は待ってくれない。
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