nectar 俺には縁の無い鮮やかなパッケージたちが視界の中を流れていく。青色を基調にしたディスプレイは夏を表すと共に涼を感じさせようという魂胆か。もっとも、ガンガンにクーラーの効いた店内では外のうだるような暑さはすっかり忘れてしまえるのだけど。
殺人的な太陽光の下であろうと、呪術師は基本的に安全を優先させて真っ黒の任務服を身に纏う。任務中は帳も降りるし集中もするので気にならないが、祓除が終わってしまえば滝のように流れる汗を認めざるをえない。上着を脱いだところで失った水分は返ってこない。手持ちの水はあっという間になくなってしまった。一番初めに目に留まったドラッグストアはオアシスのようで、寄らないという選択肢は選びようもなかった。
2719