ほんとは画像の備考欄…?みたいな所に載せようと思ったら入り切らなかったのでポイピグに置いときます。
-------------キリトリセン--------------
パ ァ ン …
近くで破裂音がした。
何かがバートレットの頬を掠めた様な気がした。
脳の処理が追いつかず立ち尽くしていると、何かが、いや、誰かが倒れる音がした。
ハッとして振り返るとそこには赤い液体を流して倒れている博士がいた。
「博士」
名前を読んでも何故か博士は答えない。目を開けもしない。
「はか…せ…!」
バートレットにはこの赤い液体も博士が答えないことも分からなかった。
いや、分かりたくなかった。
これが人間でいう血なことも、段々冷えていく体も、全部信じたくなかった。
おそらく誰かに撃たれたんだろう。突然のことすぎて誰がやったか把握が出来なかった。
博士…!起きてください……!
目を開けてください!
故障でもしたんですか…
嫌です…!博士が居なくなるのは…!
お願いです…私を…置いて…いかないでください…
バートレットは頭が混乱していく中ただ博士を抱きしめて流れていく血を見ることしか出来なかった。
そこでふと思いついてしまった。
「………なければ…」
そうだ、故障したのなら直せばいいんだ。
博士もいつも壊れたら直している。
私も同じことをすれば博士はまた
だから
「直さな、ければ…」
この時のバートレットはもう正常な判断など、出来るはずもなかった。
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「んん…」
ふと目が覚めた。いや覚めた…のか?なんだかあんまり寝た感じがしない。
「ん…」
ここは…どこだろう…?というか僕はなにをしていたんだろう…何故か記憶が曖昧だ。
「あれ…ぼく…」
「博士」
ふと声がする方を見るとそこには驚いてる顔のバートレットがいた。
「バートレット…?」
何故こんなに焦っているんだろう。何かあったのか?
「私のことが分かりますか…」
「え、う、うん…突然どうしたんだ?」
突然なんて可笑しな質問をするんだ。
というかなんか頬に貼ってあるけどあれは傷か?それが大丈夫かの心配の方が勝るんだけど。
なんて考え事をしていたら
「よかった…」
今度は突然安堵の顔をしながら涙を流し始めた。
「博士ぇ〜」
「うわ…」
突然突撃しながら抱きしめられた。ちょっと痛い。
「良かった…!本当に良かった…!」
バートレットはただひたすら「良かった」と言っている。僕は理解が追いつかなかった。
僕こんなに心配されるほど何かあったってことか…?全く覚えていないな…なんでだろう…。
…そういえば僕何かを忘れているような…
…まぁいいか
思い出せないことってことは大したことじゃないんだろう。
そう思いながら僕はバートレットの背中をさすった。
「全く…僕の息子は泣き虫だなぁ」
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____あぁ、良かった。本当に良かった。
思ったより時間がかかってしまったけれど、なんとか成功した。
貴方を直̀す̀ことが出来た。
これでもう貴方がいなくなる心配もしなくていい。
今の自分の姿見たらどんな反応するんだろうか。
驚くのか。絶望するのか。もしかして泣き出したりするのだろうか。
でも大丈夫ですよ。何があっても私は必ず傍にいますから。
だからこれからもずぅ〜っと一緒にいましょうね。
博士…♡
-------------キリトリセン--------------
めっちゃ簡潔に言うと博士が誰かに撃たれて、それを見て「治す」んじゃなくて「直せば」いいんだって思って…みたいなやつです。
バートレットがアンドロイドだから人間の常識的な所がプログラムされてなかったりとかして博士を改造すれば直せるから…ってなっちゃって半サイボーグ…?人間にしちゃうっていう感じのやつです。
ちなみにこの『誰か』はほんとに誰がやったか分からないので、もしかしたら身近な誰かが…みたいな妄想も出来るなぁって後から思いました。
あまりにもホラーな感じになっちゃった…すみません…。