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    明晩☆

    @aruminium4747

    自作ぽぱの原文載っけたり、ちょっとアレな絵を描きます
    よろしくお願いします

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    明晩☆

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    Suicide Blue 私はちょっとしたポケモンマニアでした。
    特に最新作よりも古い作品の方が好きで、よくゲームボーイを引っ張り出してはポケモン赤や緑をプレイしていました。
    これは私がある日プレイしたポケモン赤のお話です。
    私はその日も変わらず、いつものようにゲームボーイを引っ張り出してきて、ポケモン赤のデータを起動したのです。前にクリアしたデータを消してしまうと、もう一度新しくはじめました

    ようこそ!ポケットモンスターの世界へ!

    見慣れたセリフの後に、主人公の名前を決めるシーンがやってきました。私はいつものように彼をREDと名づけ、ボタンを押しました。そして次のシーンへ。しかしここで異変が起きるのです。次にライバルの名前を決めるシーンが出てくるはずなのですが、彼は最初からBLUEと言う名がついていました。本来ならOakが彼の名前を忘れてしまって、彼の名前を私が教えるはずなのに。しかし特にストーリーに支障はでませんでしたから、深くは考えませんでした。
    私はそのままストーリーを進め、Charmanderを選び、順調にジムをクリアしていきました。Charmanderは問題なく育ち、シオンタウンに向かう道中では立派なCharmeleonになりました。
    ラベンダータウンにつくと、あの不気味なBGMが流れ始めました。何度も赤はプレイしていますが、未だにラベンダータウンのBGMには慣れません...そう思いながら一通りストーリーを進めていくと、ラベンダータウンのポケモンタワーでライバルのBlueに出会うイベントが発生しました。
    いつものように彼はこちらに話しかけてくる...筈でした。しかし彼は俯いたような状態でこちらを見ることもせず

    「もう こいつを失うのすら 何度目か 分からない ...」

    そうテキストボックスにメッセージが出たのです。
    こいつを、失う...?私はそれが何かは分かりませんでしたが、本来ならBlueはこちらに対して

    「なんだよ お前のポケモン死んだのか?」

    そう話しかけてくるはずなので恐らく彼の手持ちの1匹が死んでしまったのでしょう。
    そんなことを考えているとBlueはこちらに話しかけることはせずREDの横を通って消えてしまいました。本来ならバトルに入る筈なのですが...私は段々とこのデータに疑問を抱くようになりました。
    それからは特に変な事は起きず、淡々とストーリーを進めていきました。
    Charmeleonも立派なCharizardになり、四天王を倒した私は
    とうとうライバルとの最終決戦まで辿り着きました。
    しかし、ここで異変が起きたのです。
    最終決戦の部屋.......チャンピオンの間は暗く澱んで、待っていたBlueは俯いていました。

    「よぅ RED」

    「お前と戦うのは もう何度目だろうな」

    「はは 分かってるよ 俺はどうせお前に負けるんだ」

    「だって ... そう決まってるだろ ... ?この世界じゃ、俺は絶対にお前に勝てないんだ」

    「... なぁRED この戦いが終わったら 頼みがある 」

    「... 俺を」

    そうメッセージが表示されると、戦闘が始まりました。現れたBlueの姿は酷く疲れきったような顔をしていて、首元と手首には何か跡のようなものが見えました。私はそれを見て、恐ろしいと言うよりも痛々しいと言う感情を抱きました。彼の繰り出すポケモンもまた、暗い顔をしているように見えました。そんなことを考えているといつの間にか彼とのバトルは終わっていて、またテキストが表示されました。

    「ああ やっぱり負けたな」

    「... なぁ RED 俺はもう 疲れたんだ... この話を何度 繰り返したと思う ?何度も何度も何度も何度も お前に負けて ! 大事なポケモンを 失って ... なのに俺の意思じゃ 何も変えられない 何も ... ずっと俺は傍観者だ 何を頑張っても 何も変わらない 死にたくて 首を吊っても ロケット団の奴らから奪った 拳銃で頭をぶち抜いても 死ねなかった ... それでも俺は死ぬしか無かった ... 死ねなくても少しでも楽になる為に ...」

    「... なぁ RED 頼む ... 俺を殺してくれ もう楽になりたいんだ ... もう何もしたくないんだ ... お前ならきっと 俺を殺せるはずだから ...」

    そのメッセージが表示された後、選択肢が出てきました

    彼の希望に答える?

    YES◀ NO

    ...私は迷うことなく、YESを選択しました。
    こんなにも苦しんでいる彼の希望に、答えないわけにはいかなかった。

    Blueは死んだ!

    スピーカーから、ナイフを突き刺したような音がすると場面が暗転し、そうテキストが表示されました。最後に見えたBlueの顔は、荒いドットでは分かりにくかったですが、穏やかに笑っているようにも見えました。
    それから暗いままの画面にまたテキストが表示されました

    「... きみに頼みがある このゲームを破壊して、二度とできないようにして欲しい もう この話が繰り返されないように 僕達の記憶を消してしまうように 僕ももう 疲れたんだ ... また親友に手をかけるのは嫌なんだ ... どうか もう終わらせて ... 」

    その後、ゲームは強制終了しました。
    私は赤のカセットをゲームボーイから抜くと、ハンマーで粉々に砕いて捨てました。
    もう彼等が 苦しむことの無いように。
    自身のしたことを噛み締めるように。
    彼等の物語に終止符を。
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