恋の病。自分が彼に抱くこの感情を病気だなんて、なんとも失礼な物言いだと憤慨したくなるけれど、全くコントロール不可能な燃え上がる心を思えばそれほど的外れな表現でもないのかもしれない。治療法なし。治療薬なし。どうにかできるとすればそれはこの世でシンくん唯一人。
彗星のごとく目の前に舞い降りて俺の網膜に光を焼き付け、時には悪魔に思えるほど俺の心を掻き乱す人。
「勘違いみたいなもんだろ」
凍えそうな冬の夜、一世一代の告白をした相手は俺の目をまっすぐ見てそう言い放った。
なんて人でなしなんだろうか?こっちは真剣に好意を伝えているのに、その好意の存在を疑うなんて、あまりにも酷い!酷すぎる。だがこの男を好きになってしまったのもこの俺である。
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