変わらぬ愛と永遠の絆。彼と過ごして、何度目の夏だろう。
ほまれは空を見上げた。
星の明かりがとても綺麗な、夏の夜。
***
「おまたせ」
日は沈み空はもう暗い。
街頭と吊るされた提灯が夜道を照らす。
浴衣を着た人や子どもが行き交い、いつもとは違う、少し楽しげな雰囲気を醸し出す。
待ち合わせ時刻に少し遅れてしまったほまれは淡い水色に、大柄な朝顔の涼しげな浴衣。
伸びた髪は母が綺麗に結ってくれた。
星形の髪留めを纏めた髪に飾ってある。
下駄ではなくサンダルを合わせて正解だった。
小走りに待ち合わせ場所まで駆けてゆく。
はぐくみ神社の入り口で待っていたハリーは、ほまれの言葉に振り向いた。
浅葱色の甚平に赤毛の青年。
初めてみんなでお祭りに来た日と違って手ぶらだった。
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