時々夢を見る。
そこで会う君は僕がよく知っている姿をしている。
たびたび現れるので君は僕が見ている幻なのか、それとも喰われた魂そのものなのか聞いてみたけれど「どっちでもいいじゃないか」とはぐらかされてしまった。
そして僕と君はいつもたわいのない話をする。
君は僕のやってることをよく知っている。僕が人との関わりを避けていることも。
それなのに「そんなに気にしなくていいんじゃねえの?」と気楽なことを言う。
自分だって避けてきたくせに……。
そういうと「今はほら、俺がここにいるから」そう答える。
君の存在を感じることはある。
確かにあの時、ウィンディを止めたのは間違いなく君の魂だ。
でも……。
「あまり考え過ぎんなって。ほら、行ってこいよ」
そこで目が覚める。
下から聞こえてくる元気な声。
本当に大丈夫なのか、きっと誰にもわからない。それならば……。
身支度を整えた僕は迎えにきた彼と出かける。
右手に感じる君と共に。