オシセト※オシセトが平和に出来上がってる世界です。
その日は、宴そのものにあまり参加しない砂漠と戦争の神セトが、珍しく酒杯を傾けていた。
セトがあまり酒精を好んでいないことは、兄姉たちは皆理解していた。それが、酒の味がどうこう・・・という話ではなく、セトが非常に酒精に弱く、数杯傾けただけで前後不覚になるから・・・・ということを理解していたのは、オシリスだけかもしれないが。
何度か酒を注がれた杯を空けた後、いつものように「気が乗らない」と席を外したセトを視線だけで追い、オシリスは目を閉じた。
何か理由をつけてこの宴を離れたいが、気紛れなセトであればどうということはないが、王であるオシリスが離れれば理由を勘繰られる。
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