愛憎の檻に囚われてまだ暗殺の任務を任されていない、訓練中の純粋な少年のアッシュ。
帰宅したノーランドを出迎える彼は、エプロン姿で振り返りながら腰をひねり、少し恥ずかしそうに言った。
「おかえりなさい! あの⋯⋯シェフが作るのは分かっていたんですが、今日の料理、俺も手伝ってみたんです。好みに合うといいんですが⋯⋯」
上目遣いで、まだ幼さの残る笑顔を見せるアッシュ。
それがノーランドの心を一瞬揺さぶった。
「⋯⋯料理もできるのか」
ノーランドは冷徹な目でその姿を見つめる。
アッシュは期待に満ちた表情で、すぐに「はい!」と答えた。
その無邪気な笑顔が、ノーランドに不意に湧き上がった感情を引き出す。
胸に衝動が突き刺さる。そして疑念が入り混じり、ノーランドは一瞬それを抑えきれずに固まった。
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