この音はエンドロールまで恋に落ちる時の心臓の音を、誰か教えて欲しい。
何でも知っていそうな紫煙は笑いながら何と答えてくれるのだろう。
「十六時のご飯をチリちゃんは昼飯とは呼ばん」
「夜ご飯要らないかも....というか何時に帰れるんだろう....」
「わからん。ラナ、トップのとこまで走って思いっきり甘えた声で今日はもう休みにしようて言うてきて」
「言えるか」
正直腹が空いているかと言われればそうでも無い。が、何かを詰め込まなければこの後の業務に支障が出てしまうだろう。目の前のアボカドカレーに銀色のスプーンを突っ込む。
「ブラックや....アオキさんなんて声がいつもの半分しか出てへんくて何言っとるかまじでわからんかったもん」
「ハッサクさんに怒られてたもんね」
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