つみ の みつ-第3話- 3.
「良くない遊び、してるでしょう」
降谷さんと食事に出掛けた翌日の午後、定期検診のために訪れていた隣家で、相棒の覚めた眼差しがオレを緩く刺す。
香り高いアールグレイの紅茶は非常に美味ではあったが、少し居心地が悪い。
「来る者拒まずだけの時は敢えて野暮言うのは止めようと黙っていたけど、他人様のものは止めておきなさい。痛い目見るわよ」
「……」
黙りを決め込んでみるも、やはり聡明な彼女には無意味だったようだ。
「今まではそれでも、向こうから言い寄ってきたんでしょうけど……アナタ、今は違うでしょう」
見てきたかのように正確に言い当てる宮野がオレは、偶にとても恐い。
「今の相手がどこの誰かは分からないし興味もないけど、自分からパートナーのいる相手に言い寄るようなマネは止めなさい」
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