好き好き大好き!かも、しれない。 タルタリヤは鍾離に恋をしている。
それはもう彼らの周りの人々が認めるほどに、恋をしている。
「先生、好きだよ」
「そうか」
「先生、今日はお付き合い日和だと思わない?まるで天気が恋人になれって言ってるようだ!」
「豪雨だが」
「水元素の俺の日って感じだろ?あ、それともやっぱり晴れの日って言葉通り、晴天の真下で告白を受けたい派?」
「公子殿からは天気に関わらず、告白を投げかけられているが」
「それで返事は?」
「遠慮しておこう」
「も〜〜!」
突然の豪雨により、雨宿りがてら食事をとることにした二人が、昼過ぎの繁盛した万民堂でこのように告白をすれば、噂が噂を繋いで周知の事実となる。しかもこれが初めてではなく、数多度となれば周りは気にも留める様子もない。ただいつもの茶番劇を見ているようなもので、最近は講談よりも愉快だともっぱらの評判である。
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