狂気と山、または登山部のインターハイに出場するチームは少ない。そもそもの話、登山部が少ないから。
それでも自分は楽しくてしょうがなくてやっていた。
山を登るのは過酷だ。標高が低くても侮ってはいけない。体力配分を間違えたり、怪我をしたり、自然に足止めされることなんかいくらでもあるし。
それでもチームみんなで登頂できた時はとても気分が高揚した。
◆◆◆
「幽霊かなにかが出るらしい」という山の話を、その山に登る前に調べたことがある。
そこにあったのは、いわゆるオカルトな話だった。なにか理由があって噂が大きくなっただけだと、そう思っていた。
大きくなったという規模に収まらない、山の夜より暗く冥き、より冥い深淵。
これは些細なきっかけだっただろうか。自分はだんだんと、『そういうもの』に傾倒して。
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