A 秋も深まった某日。湘北高校男子バスケ部は連休を利用して冬の選抜に向けた合宿をしていた。安西の古くからの友人が監督を務める高校と合同で三泊四日の日程だ。三日間はあっという間で今日はもう最終日前夜。明日の夕方には神奈川へ着いている。
相手は県でも一、二を争う強豪校なだけあって練習メニューもなかなかにハードだった。インターハイ後に赤木や木暮が抜けた穴はやはりまだ大きく、紅白戦でも一勝するのがやっとの有様。背中の怪我から復帰した桜木にも無理はさせられず宮城、流川、三井でほとんど点を取っているようなものだった。
代替わりをしても強豪校は層が厚く、選手一人一人のスキルも高い。部員たちは自分たちの実力不足に歯痒さや焦り、不安もあったがこの合宿で得られるものはすべて得て帰ろうと意気込んでいた。
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