プリズムのきらめき それは、いつものように口喧嘩になった時の事。
「っは、ハッ、クション!!!」
ネロがブラッドリーを問い詰めようと胸ぐらを掴んでいたところで、ポケットに入れて置いたはずの胡椒を落としてしまったのだ。
ブラッドリーの厄災の傷による瞬間移動の後、目を開けると慣れ親しんだ魔法舎のキッチンではなく、別の場所へと飛ばされてしまった。また北の国かと辺りを見回すも、見覚えのない景色が広がっていた。
空へと届くのでは無いかと思うほどの建物や西の国で見かけそうな動く機関車に似た乗り物、そして闘技場かと思うほどの大きな屋根のついた建物がある。
それはまるで、賢者が話していた元の世界と酷似した場所だった。
「ここは…どこだ」
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