あなたの一番最後でありたい 朝、起き抜けから顔を合わせる男士たちは皆揃って審神者に祝福の言葉を贈る。本日は審神者の誕生日である。しかし、祝われる側の審神者は喜んではいるもののどこか陰のある表情。はて、毎年照れくさいながらもにこにこと嬉しそうにしていたのに、今年はどうした事か。違和感に首を傾げつつ鶴丸国永が浮かない顔の理由を問えば、口ごもる彼女は御手杵が、と恋仲である近侍の名前を出した。
どうにも御手杵が誕生日を忘れているらしい、と。
同じ年を重ねるにしても、一番に彼に祝われたい。そんな下心を抱きつつ昨晩ゲームに誘ったものの、日付が変わった頃におやすみだけを言い残して自室へと帰って行ってしまったと言う。去年まではちゃんと祝ってくれたのに、そんな、今年に限って。
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