旅人のハーバリウム 凝り性の自覚はあった。
作業に集中しすぎて寝食を忘れてしまうのはしょっちゅうだし、目的の為ならとことん下調べする。ミニゲーム作りも、よろず屋経営も、全宇宙の支配ですら。やるならば徹底的に、隅から隅まで趣向を凝らさなければ気が済まない。そんな性分と一時の異常なテンションがコラボレーションして誕生したのが――この、カービィ専用監禁部屋である。
「……イヤ、チガウヨ、チガウンダヨ、ローア」
心はあれど物は言わぬ我が船ローアに生ぬるい視線を向けられたような気がして、ボクは咄嗟に弁解する。
「カービィをココに閉じ込めようトカ企んでナイヨ、ホントダヨ!」
我ながら悲しくなるほど信憑性に欠ける。しかし、今回ばかりは真実だ。ボクがこの部屋を作るに至ったのには、それなりの経緯があった。
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