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    サモ🐟

    @Samoopink

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    サモ🐟

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    ヨハンネスとキスの練習をするムコさん。

    フェルムコ前提のヨハムコ。してるのはキスだけ。

    ヨハンネスさんとムコさん並ぶとちょっとヨハンネスさんが大きいのがとてもツボでした///

    恋のレッスンが終わらない。ヨハンネスは俺がこの世界に来て初めてできた友人だ。
    歳も近いこともあり話しやすくて、彼の仕事のことで関わったり、何回か飲みに行ったりしているうちに仲良くなったんだ。

    ヨハンネスはすごく真面目だし、でも苦労人で何でも一生懸命なやつだからつい応援したくなる。


    そんなヨハンネスにアンナさんという好きな人がいるって知って、俺はついつい…。
    そう、ついついお節介を焼いてしまったんだよな。



    「ヨハンネス、おめでとう!!」
    「…ありがとう、ムコーダさん」

    そしたら何と応援していた二人が付き合うことになったって。
    報告を聞いて、真っ先にお祝いの言葉を言ったら、真っ赤になって照れている。
    中学生のピュアッピュアな恋愛みたいなんだよな。
    めちゃくちゃ眩しいよ……。

    「明日一緒に出かけることになって…」
    「おぉーデートか!やったじゃん」

    いつもならリア充爆発しろ!って思うところなんだけど、何だろうなぁ……ヨハンネスとアンナさんに関してはおさまるとこにおさまったな、って感じで、うんうん、て頷いて見ていられるんだよな。
    自分がキューピット役として関わってしまったことも大きいけど。

    「うん……」
    「ん?どうしたんだヨハンネス」

    急にヨハンネスの顔が曇ったので首を傾げる。

    「彼女とのデートはとても嬉しいんだけど……その」

    あー……あれか…デート前に緊張して不安になってるやつ?

    「大丈夫だって。何か不安なら手伝うし!俺にできることなら何でもするよ!」

    苦労してるっぽいヨハンネスには幸せになって欲しい。
    この世界で初めてできた友人だし、出来ることは手伝いたい。

    肩をポンポンと叩いて励ますように言うと、不安そうなヨハンネスの目がすがるように俺を見てきた。

    …ん?

    「ムコーダさん……って恋愛経験豊富なんでしたっけ?」
    がしっと手を掴まれる。

    「俺に色々アドバイスして下さいましたし、きっとそうなんですよね?」
    「え……?」
    「聞きたいことがあって…!!」

    ん……。


    えっと。

    これは。


    ヨハンネスの期待に込めた目がキラキラと眩しい……。

    確かに俺は色々ヨハンネスにアンナさんと距離を縮めるためのアドバイスはしたよ…?
    でも別に自分の恋愛経験からアドバイスしたわけじゃなくて……。
    いやでも偉そうに言っちゃったか……?
    少し上から言っちゃったか…?

    ヨハンネスは俺のアドバイスを「俺が経験豊富っぽいから信じてやってみよう」って受け入れてくれたのか。


    どうしよう。うわぁ……ゴメンナサイ


    俺の恋愛経験なんて……あの、語るほど無くて。
    何なら今毛むくじゃらの最強フェンリルとお付き合いしてますけど、人外だからこれはヨハンネスが想像するような恋愛経験って呼べないのでは。


    「えっと……その…」
    「恋愛経験豊富なムコーダさんにしか、頼めないことがあって…」
    うわぁ、ゴメンナサイ!!

    「あの、キスのやり方を教えて欲しいんですっ!!」
    「き…!!」

    思わず飛び上がった。

    き、キス……?

    えっと口と口をくっつければそれがキスなんじゃないの?
    やり方って何?
    あ、舌とか絡める……ディープってやつ?

    ふぇ、フェルとのキスのやり方なら分かるんだけど…。
    でも多分それじゃヨハンネスの求めるアドバイスにならない。


    「彼女がもっと俺のことを好きになってくれるように……気持ちいいキスができればって……」
    うわ、真っ赤になってるヨハンネスくん。ピュアすぎるよ。

    「ムコーダさん、俺にキスを教えて下さい!!」
    「えぇぇぇ……」












    (何でこうなった……?)


    俺は俺の肩に両手を置き、真っ赤な顔で真剣そのものなヨハンネスを見て改めて心の中で呟いたのだった。


    こういう話をするの、人目があるところじゃなんだし……と宿屋で部屋をとった。

    昼間だけの宿屋利用も出来るみたいなんだけど、受付に男2人で行ったら何か意味深な顔されてしまったよ。
    元の世界でいう、ラブホみたいな利用だと思われたっぽい反応。

    いや、そうじゃない、そうじゃないよ。
    ヨハンネスとはそういうのじゃなくて。あぁ。

    真っ赤になってるヨハンネスがまた、店員にそういう誤解を与えるんだって。






    …で、俺とヨハンネスは宿屋の個室でふたりきり。
    そんなに大きな部屋でもなかったから部屋には座れる家具がベッドしかなく、だからベッドに横並びに座っている。


    「…」
    「………」

    何だこの…落ち着かない感じ


    「……それで、キスを教えて欲しくて!」


    「あ、あの…さ、ヨハンネス。俺別に恋愛のけ…」
    「無理を言っているのは分かってます!でもこういうのムコーダさんにしか頼めなくてっ!」
    「え、あの…」

    恋愛経験豊富じゃないよって言うタイミングを逃す
    そんなキラキラすがる目で見ないでよ、言いにくいよ…。


    だってアドバイスって言われても、何を言えば…?


    「俺がキスをしてみるので……それに対してアドバイスして下されば」
    「あ、それなら…」

    できるかもしれない。

    ん?待って。

    今からヨハンネスのキス顔を見なきゃいけないのか…?
    それを見て俺があーだこーだ言うのってかなりシュールじゃね?

    ま、まぁいいか。

    従魔相手のキスは分かるけど、対人間のキスのアドバイスなんて分からないし。
    ヨハンネスには悪いけどここは適当に答えさせて貰おう。


    「ではいきます」
    「う、うん」

    ギシッとベッドが軋んだ。
    こちらの方に身体を向けるヨハンネス。

    いつもの気弱そうな青年とは違う真剣なその顔。


    がしっと両肩に手を置かれた。

    え。

    ヨハンネスの顔、近くね…



    「んぅ……っ!?」




    何が起こったのか分からなかった。

    唇に温かい感触。
    目が塞がれている。……のではなくて近すぎて何も見えないのだ。

    肩に感じる熱い手の平の温度。

    ぎしっと軋む宿屋のベッド。


    「ん……っふ……!?」

    息苦しさを感じて身体を捩ると、口が解放される。

    「はぁ……っは……、」
    「ムコーダ……さ…」
    「んっ……ん」

    ちゃんと呼吸が戻らないままにまた口が塞がる。

    ちゅっ。

    小さなリップ音。

    今度は何が起こってるのかはっきり分かった。



    き、キス……されてる、俺?


    ヨハンネスに…。


    何で…?


    「んっ……んっ……っはぁっはぁ、…はっ!」
    「はぁ……っ、どう、ですか?ムコーダさ……俺のキス」

    口を解放された途端に俺は咽せるように呼吸をする。

    ケホケホと咳き込みながらヨハンネスの顔を見ると、目はまだ真剣で俺を見ていた。


    「まだ上手くできませんね……もう一回やります!」
    「はぁはぁ……ケホっ、あ……っ」


    まさかヨハンネス、キスのアドバイスっていうかキスの練習を俺でしようとしてる…?

    そ、そんなこと俺は、許してないぞ!

    「ヨハ……んっ!!!」

    抗議しようとした俺の言葉が途切れる。
    また口を塞がれた。

    まさかそのまま許す俺じゃ無い。
    肩を捩るように動かそうとすると、ぐっとヨハンネスの片腕が強く俺の身体を押さえてくる。
    もう片方の手は俺の顔を。

    「ん…っん……っ!!」

    酸欠なこともあり、上手く力が入らない。
    鼻で呼吸をすればいいんだって頭では分かってるけど、口に感じる感触の所為で鼻に意識を向けるのが難しい。

    でも俺だって男だし、力が入らなくてもそれなりに抵抗できるつもりだった。

    「う………っん!」
    よ、ヨハンネス、力、強くね……?

    確かに俺よりは身体大きいけどさ……、外見草食系じゃん…。
    敵うつもりでいたのに全然ビクともしないよ。




    「ん……っ、よは……んぅっ」

    ちゅう、ちゅうぅ……。
    軽いリップ音と、2人分の吐息。

    密閉された小さな個室の中にいやらしく響いて、ドキドキと心臓が速まる。


    「……っは、はぁっ………んっ!!」
    呼吸が出来なくて、スキをついて口を離して呼吸をしようとしたら、薄く開けた口から何かにゅるっと侵入してきた。

    口の中というデリケートな場所に侵入してきた熱くてぬるっとしたもの……。

    (舌……?)

    気づいてかぁぁっと身体が熱くなった。
    舌を絡ませるキス……ディープなやつ……!

    熱くてそれ自体が意思をもったものの様に俺の口の中を探るように動くそれ。


    いつもしているフェルの舌とは大きさとかも全然違う。
    息苦しさや圧迫感がない分、少し余裕があって、その動く様子をより感じてしまう。

    どう動くんだろう?って一瞬抵抗よりも興味の方が勝ってしまって、すっかり振り払うための力を入れるタイミングを失ってしまった俺は、ヨハンネスに為すがままディープなキスを受け入れ続ける。

    くちゅ。

    ちゅうぅ。

    「はぁ……っ」
    「は……はー……っんっ」


    耳に聞こえる水音が生々しくて恥ずかしい。
    酸欠でぼんやりとしてきた頭。力が入らず抵抗もできずに、ヨハンネスの舌に口内を犯されていく。









    「は………ムコーダさん、もう……1回お願いします」

    拳をグッと握りしめて真剣に頼まれる。
    彼女に恋をしている男の目に、真っ赤になって荒い呼吸を繰り返す俺が映っている。。


    「ん……ちょっ……待っ…………!」
    「ムコーダさん!!」
    「あ…っんっ……!!」




    あれから数十分。

    ベッドの上でずっとキスを繰り返している。

    抵抗のため身体に力を入れても受け流され。
    抗議の為に言葉を言おうとしてもその口は塞がれる。


    こんな……宿屋の個室で男同士、ベッドに腰掛けて。
    何度も何度もキスを繰り返しているなんて。


    ヨハンネスは練習のつもりなのだろう。
    キスを繰り替えず度にヨハンネスは上手くなっていて、ついにはゾクゾクと腰に来るようになっている。

    気を抜くと出そうになる甘い声。
    もう、受け入れるだけで精一杯になっているのに、ヨハンネスはなかなか俺を解放してくれない。



    「ん……んっ」

    ぞくぞくっ。

    舌を絡めると2人の唾液が混ざり合う。
    さっきからそれを何度も飲まされてて、初めは抵抗があったけど、もう為すがままだ。
    飲みきれなかった唾液が口の端から流れると、彼の舌がそれを舐め取ってくれる。

    「はー……はー……」

    キスの合間にする呼吸は湿り気を帯びていて、感じちゃっているのが伝わったらどうしようと恥ずかしくてたまらない。

    「ムコーダさん…」
    ヨハンネスの真剣な目。

    俺は快感で身体をピクピクさせながら潤んだ目でぼんやりとヨハンネスを見る。

    その口元が不意に笑った気がしたけど、肩を押され、ドサリとベッドに倒されるとそんなことはすぐ頭から飛んでいってしまう。

    背中に感じる、ちょっと固めのベッドの感触。
    見上げれば舌なめずりしたヨハンネスがいる。

    目を潤ませながらハフハフと速めの呼吸を繰り返す俺がおかしかったのかな…何で笑ってるんだろう?


    「………じゃあ次はこっちの練習をお願いします」
    「こっ……ち…て?…んっ…」

    その問う声はヨハンネスの唇に奪われた。

    性急に合わさる口と、もう慣れてするりと侵入してくる舌の感触。
    それから手が俺の身体を這う新しい感触。



    あぁ……ヨハンネス……キス、上手い……。




    そんなことを身体に感じる重みを感じながらぼんやりと思った。







    レッスンはまだ終わらない。








    おわり
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