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    サモ🐟

    @Samoopink

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    サモ🐟

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    前回のおとぎ話の世界線にムコさん達を当てはめてみたお話の続きというか、めでたしめでたしの中身を妄想して書いてみました。
    フェル様たちは王族、ムコさんは奴隷です。

    【お伽噺の世界線で王族達に見初められた俺(奴隷)】見た事も無い高い天井の部屋。
    豪華なシャンデリア。
    前転が出来そうなくらい広い天蓋付きベッド。

    (落ち着かない…)


    ごろりと寝返りをうち、フワフワの枕に顔をうずめた。
    豪華な部屋に豪勢な生活。

    この前まで奴隷としてぼろい建物の中で奴隷達と共同生活してた。

    生まれつき持っていた不思議なスキルを使って料理をすると、料理の腕が認められてお城勤めになり、着るものも食べるものも、たまにお風呂も入れるようになってかなり生活がよくなった。それだけで満足していたのに。


    「こんな豪華な部屋で眠れるなんて…信じられないや」

    先日行われた、ダンスパーティ。
    俺は仕事で中庭の隅っこで料理を作っていたんだけど。

    突然王子と王族の方がやってきてさ…。

    『お主をずっと探していた』
    って…。

    目がテンになるよ!
    フェル王子が俺を抱きしめて、き、キス…してきた。

    男にキスされてるのに…俺は抵抗できなくて。
    銀色の髪の長い、絵に描いた王子さまって感じのフェル王子。…かなりガチムチだけど。

    そんなイケメンな男が、中庭の端で肉を焼いてるだけの奴隷を自身の結婚相手に選ぶなんて…前代未聞すぎる…。

    俺はびっくりして反応できなくて、大体奴隷は王族と口をきいちゃダメってくらい身分差があるから、大した抵抗も出来ず、フェル王子からのキスを受け入れてた。
    す、すごく情熱的というか……その、上手くて……解放されたときには腰が立たなくなってへたりと地面に座り込んでしまった程だ。

    他の王族の方もやってきて。
    ちっちゃな王子達には抱きつかれ、国王であらせられるゴン様には手の甲にキスをされ……。

    何が起こってるの!?と混乱する俺を置き去りに、フェル王子と俺は結婚することになり、そしてこの城で一緒に暮らすことになったのだ。



    フェル王子や他の王族様が言うのは、前世?で俺はこの方達の主だったらしい。
    王族たちはその時の記憶を覚えていて、中庭で俺を見つけて嬉しくなってしまったんだって。
    人違いだったらどうするんだ?て思った。
    でもフェル王子にキスされた途端、王子達に抱きつかれ国王様には手の甲にキスをされた途端、ふわっと何故か懐かしい感じがしたんだ。

    俺はその時の記憶がないけどさ……。

    パズルのピースがカチリとハマるように、この方達の側にいるのがしっくり感じるのは確かだ。
    前世?があったのなら、そうなのかもしれない…。
    きっと暖かくて幸せな記憶なんだろうな。
    みんなの幸せそうな顔を見ていたら切なくて嬉しくて胸の中がぎゅってなる。

    いつか思い出せると良いな。



    王族たちは特殊な呪いにかかっていて、昼間は魔獣の姿、夜はヒトの姿をしている。
    聞けば王族の皆様、前世は魔獣で、魔獣の姿の方がしっくりくる、とのこと。

    はじめ見たときはびっくりしたし、ちょっと恐かったけど、これも前世の記憶なのか…俺も魔獣の姿の方がしっくりと来る気がする。


    ……で。

    ふたつの姿を持つ王族たちと一緒に暮らすこととなった俺。
    中庭で王子に見初められて結婚して、というシンデレラストーリー。
    俺、姫じゃなくて男だししかも奴隷なんですけどね…。

    まぁそれは良いんだけど…。



    「あっ……や、あぁあん!」

    早速その晩はフェル王子との初夜……を経験しまして…。

    前世で関わり合った仲、と言われても俺には記憶が無い。
    まだ思い出せてない。
    なら思い出させてやる、ということで寝台に押し倒されてあっと言う間に服を剥ぎ取られた。

    俺は奴隷だし、王族であるフェル王子に求められるのなら抵抗することは許されない。
    でも男に抱かれるとか初めてのはずなのに、俺は嫌悪感とか普通は抱くはずの感情がわいてこなくてさ…。
    体格のいいフェル王子に組み敷かれて奥をガンガン突かれながら高い変な声出ちゃって、何度も何度もイかされてしまった。

    これも前世?の記憶なのかな…
    前世…の俺はフェル王子とこんなえっちなことやってたの???

    フェル王子が言うにはヒトの姿では俺を抱いたことが無くて新鮮だ、ヒトの姿だと色んな体位が試せるな、とのこと。

    つ、つまり?
    前世の俺、フェンリル姿のフェル王子とそういうことしてたの???
    それって、か、可能なの?
    フェンリルってかなり大型の魔獣だけど…

    混乱するまま俺は激しいえっちの最中に意識を失って。


    そして広い天蓋付きベッドで朝を迎えております…。
    カーテンから差し込む光が眩しいな。



    てん、と音がして水色の球体がベッドの上に飛んできた。

    『あるじー!おはよぉーーー』

    それは1匹のスライム。
    第3王子のスイ様だ。

    あぁそうか。朝だから魔獣の姿に戻ったんだね。

    「スイ様…おはようございます。すみません、寝坊して…」
    俺は怠い体を起こして、可愛らしい声のスライムに笑いかける。

    『…』
    「スイ様?」
    『やだやだあるじー!スイはスイだよ!スイって呼んでくれなきゃだめー』
    「え、ですが…」

    スイ様は抗議するように何度も布団の上でポンポンと弾んでいる。

    いやいや、呼んでって……。
    曲がりなりにも王族で王子なんですよ、スイ様も!
    奴隷が軽々しく呼んじゃだめなんですよ???

    『スイって呼ぶのー』
    「…ええぇ…わ、わかりました。スイ…ちゃん」
    『ヤッタァァ!スイね、あるじが呼んでくれる“スイちゃん”も“スイたん”も好き-!』

    ポンポンと全身で嬉しそうに弾むスイ様…スイに、俺もつられて笑顔になる。
    そうだよな、スイ様…スイはまだ子どもだから、身分とか分からないのかもしれない。

    『おねがいー!あるじ、スイを抱っこして』
    「あ、はい…じゃなくて、うん」

    丸いプニプニした体を胸の前で抱きしめる。

    スイ様……スイから触手が手のように生えてきて、それが俺の体をぎゅっと掴むようにする。
    プルプルと震える小さな体がすごく愛おしく思えて、あやすように手でポンポン叩くと、スイはメソメソと俺の胸の中で泣き始めた。

    『あるじにずっと会いたくてー…っ、スイずっとガマンしてたの…』
    「もう……大丈夫。俺はスイちゃんの側にいるよ?」
    『うん、あるじに会えた。スイ、うれしいの』

    前世のことはまだ思い出せない…でもスイの事は守らなきゃいけない存在だというのは分かる。
    もしかしたら前世の俺はこの子の親代わりをしていたのでは無いだろうか?
    そう思ったら スイ、寂しかっただろうなぁとかとても切なくなって、思わず頬ずりしながら抱きしめてしまった。
    胸の中のスイが嬉しそうにぷるぷるした。



    『あのね、あるじー』

    胸の中のスイが触手を少し伸ばして俺の乳首をつんつんした。

    『あるじのおっぱい飲んで良い-?』
    「ん……?」
    『スイ、赤ちゃんだったからたまに飲んでたの』
    「え?」

    衝撃発言。
    あれ、前世の俺…もしかして女だった???


    「あの、今は俺、男だから…おっぱい出ないかな?」
    『出るよー。任せてー』

    スイは丸い体から新たに触手を伸ばしてきた。
    触手の先に何かじんわりと液体を滲ませている。

    それを俺の胸に伸ばし、乳首に塗りつける。

    「ん…っ!?……アッ…!」
    その途端身体が電撃を受けたかのように震えて、昨晩フェル王子に散々愛された奥がうずき……。

    『ほら、出たぁ』
    「え?」

    信じられなかった。

    俺の胸…男であるはずの俺の胸が少し膨らんでて、乳首の先に白い液体がじんわりと滲んでいた。

    「な……なん、で?」
    『あるじのミルク美味しいの!スイに飲ませてね』
    スイは嬉しそうに胸に吸い付くとちゅー、ちゅーと飲み始める。
    「アッ……あぁっ…ひ、んん…っ!」

    乳首を吸われると激しい快感が襲ってきて、俺はスイの身体を自分に押し付けるようにぎゅっと抱き、高い声を上げる。

    「あん…っ、あっ、…おっぱいだめ、……きもち……イイッ!」
    『美味しいーあるじ、ありがとー』

    「ハァッ…ハァ……俺、男なのに何で…」

    『あのね、おっぱい、これからも出そうになると思うの-。もし痛くなったらスイのこと呼んでねー』
    「ハァ…はぁ」
    『ドラちゃんも飲みたいって言うから少しならいいけどーでもスイがいっぱい飲みたいの。あ、フェルおじちゃんは全部飲んじゃうからダメー!』

    またねー、とスイはするりと俺の身体の上から下りると、てんてんと弾みながら行ってしまう。


    「…な、なんで…?」
    ベッドの上に残された俺は、スイに吸われた自分の胸を見下ろす…。

    柔らかくふっくらと膨らみ、先端がぷっくりと主張する胸…。

    「なんだよ…これ…っ」
    女みたいだ。
    前世の俺の身体もこうだったのかな…?
    授乳もしてたのならやっぱり女だったのかもしれない。

    「おっぱいが自分にあっても嬉しくないぞ……えぇこれ直るのかな?…と、取りあえず服!」
    こんな状態で服を着たら胸が目立ちそうな気がして怖いけど。

    「…というか服…どこだ?」

    起きたらベッドの周りはきれいに片付けられていて、昨夜フェル王子に裂くような勢いで脱がされた服は破片すらも落ちてない。

    取りあえず起き上がり、寝室の中を探索してみる。
    もしかしたらクローゼットに何か服があるかもしれない。

    広い寝室。
    部屋の中を壁や衝立で仕切られていて、ご飯が食べられそうな窓際のテーブル、着替えをするスペース、洗面台もある。
    流石お城…すべての家具が美しく豪華で、普段使いするやつじゃない、こんなの。
    足元の絨毯もフカフカで歩いていいのかって遠慮したくなるほどだ。

    洗面台で顔を洗い、着替えをするスペースのクローゼットを開けてみた。


    「……。」

    パタン。
    締めた。


    俺はベッドのあるところに戻ってきて、ベッドの端に座って頭を抱える。


    あれ、もしかしてフェル王子が用意した???

    クローゼットの中にはその……えっちなものが沢山あったんだ。

    身につけるものもあったけど何か面積の小さい下着とか。
    後多分、体内に入れて楽しむんだろうなぁって玩具とか。
    拘束する為の道具とかベルトとか。

    人間の姿で俺を抱くのは初めてで、色々試してみたい、と昨夜のフェル王子が言ってた……。

    もしかして、楽しみすぎて色々揃えましたね…???


    「どうしよう…俺…」

    これから毎晩フェル王子に愛される。
    フェル王子と結婚して、フェル王子のものになったし、もともと奴隷だから俺に拒否権はない。
    昨夜だってあんなに激しく抱かれて、でも全然嫌じゃなくてただひたすら気持ちよかった…。
    さっきのクローゼットの中身を見るに、もう「抱くぞ…ッ」という気合いすら感じる……やばい。

    あんなのが毎晩…。
    これからずっと続くんだ。

    ゾクリと体が震えたけど、心の中で喜んでる自分がいる……前世の記憶ならば、どんたけ、前世の自分は乱れてたのか…。

    「俺…ここにいたらえっちにされちゃう…」

    男に抱かれても感じて喜んじゃう身体…。
    母乳も出るようになってしまったし。

    次は一体何をされるんだろう…?


    シンデレラストーリーの結末はエバーアフター。
    『いつまでも幸せに暮らしましたとさ』で終わる。

    いつまでも…永遠に?
    こんなことをされ続ける…?

    ゾクリと体が震え、自身を抱きしめるようにする。

    「早く服着たい…」

    自分の中の期待して喜んでいる自分に気づかないよう、俺は独り言を呟いて気を逸らした。






    おわり。
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