🎮️🧪夜遅くまでゲームをしていたライトは、腹が減ってリビングへ向かう。
ふと視界の端に、研究室の扉の隙間から灯る明かりが目に入った。
「……スファレ?」
気になって扉を開けると、机に突っ伏して眠っているスファレの姿があった。
散らかった資料と、握ったままのペン。どうやら疲れて眠ってしまったらしい。
「おーい」
そっと前髪をかき分けると、目の下にはひどい隈。
ライトは小さく眉を寄せる。
「うわ、隈やば。ちゃんと寝ろよ……」
そのとき、寝息まじりの声が漏れる。
「……ライト……」
思わず名前を呼ばれて、ライトの心臓が一瞬跳ねた。
「……なに、おれの夢見てんの?」
思わず苦笑しながら、頭を撫でる。
そしてそっと身体を抱き上げた。
「ベッド連れてってやるか〜」
起こさないよう慎重に運び……しかし無意識のまま自分の部屋へ。
そのままベッドに寝かせると、ライトは小さく頭をかいた。
「どうすっかな〜……また戻すのも面倒だし」
しばらく考えた末、諦めて隣に横になる。
スファレの寝顔を間近に見るのは久しぶりで、自然と口元が緩んだ。
「……おやすみ〜、スファレ」
その夜はそのまま眠りについた。
***
翌朝。
先に目を覚ましたのはスファレだった。
「……ん?」
見慣れぬ天井。思考を巡らせる。
昨日は研究室で実験をしていて……そのまま眠ってしまったはず。
なのに今はベッドの上。横を見ると、熟睡しているライト。
(……なるほど、運んでくれたんですね)
合点がいったところで、スファレはライトを揺さぶる。
「ライト、起きてください」
「……んぁ……スファレぇ……? おはよ……」
まだ寝ぼけた声で返すライトに、思わずスファレは小さく笑みを浮かべる。
「おはようございます。昨日はありがとうございました。」
「んぇ……? あー、別に……」
「おや、照れてるんですか?」
「照れてねーし」
「ふふ」
頬を赤らめるライトを横目に、スファレは軽く肩をすくめる。
「朝ご飯、なにが食べたいですか?」
「んーと……」
まだ半分眠そうなライトが考え込む。
こうして、二人の新しい一日が始まっていく――。