運命の子 忌み子…鬼畜腹から出てきた子…
己の片割れを、そう呼ばせたくないために虎杖悠仁は産まれてからすぐに、名家でもある両面家から捨てられた子供。
兄と妹の間に産まれ、更に双子…それは誰かに知れる訳にはいかない、隠しとうさないとならない真実。本来ならば悠仁は産まれてすぐに殺されていた。
しかし、悠仁を見た両親は手にかける事が出来ず、傍にいたメイドに悠仁を託した。メイドは悠仁を受け取るとその場から逃げ出した。小さな村で父無し子といわれながらも、明るくて元気な悠仁は周囲に溶け込んで暮らしていた。今日まで母親と血が繋がって無いなんて疑いもせずに。
「悠仁…逃げなさい」
「母ちゃん?」
業火に焼かれる街に悲鳴が響き渡る、大好きな村に大切な人達の無惨な断末魔…そして、自分を探しているのだという兵士達の声。
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