他ならぬあなた特に予定のない、静かな休日の午後のこと。
リビングの二人掛けソファに並んで座りながら、実はフォークリフトの免許を持っている、とか、10代の頃に携帯で恋愛小説を書いていて、同じ年頃の読者には結構人気だったとか、共有する必要が全くなかったから伝えていなかったことを、杉元はなんとなく尾形に打ち明けてみた。
どうでもいい、と一蹴されるかと思ったが、尾形は大きな瞳を真ん丸にして驚いていた。
「なんだお前、この期に及んで新情報が出てくるのか」
「新情報ってほどでもないだろ…」
杉元は、尾形の意外にも前のめりなリアクションに不意をつかれていた。
こいつ、もしかして、自分が思うよりも俺に興味を持ってくれているのかと、嬉しいような恥ずかしいような、でも悪くない気分で、杉本は尾形にも聞いてみることにした。
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