高鳴る心臓はどちらも同じ鼓動を刻むカチャカチャと、僕が機械を弄る音が、静かな部屋に木霊する。
それに対抗するように雨音を立てていた天井から、更に大きな雨音が響き渡る。
「……これは酷いなあ」
雨音を聞きながら天井を見上げて、誰に聞かれるでもない独り言をぽつりと呟いた。
ある日の休日。
事前に天気予報で、台風ではないが雨も風も強いということが発表されていた。
野外ステージであるワンダーステージでは練習も危険だということで、安全第一で今日明日のショーは中止となった。
事前にわかっていたとはいえ、急にできた休み。
加えてこの天気では外に出ることすら億劫なので、僕は何時も通り機材の調整に取り組んでいた。
「……よし。これはOK。こっちのは……」
何個目になるかわからない機材の調整を終え、次の機材に手をつける。
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