幸せの履き違え神様🌟人間🎈
どこからだろう。祭囃子の音とは違う、綺麗な歌声が聞こえる。
さく、さく、と木の葉を踏みながら山の中を進む。
大人たちは危ないから、と言うけれどそんなのどうでもいい。僕はあの歌を、あの歌を歌っている人を知りたい。
好奇心は抑えきれないものだ。類は歌声につられるようにどんどん奥へ進んでいく。
夏祭りにて親とはぐれてしまったが故に歩き回っていた類。その途中でこの声が聞こえてきたのだ。
楽しそうで、寂しい歌。誰かを望んでいるような声。
「どこだろう…」
まだ10才になったばかりで、体力も平均以下の類にはこの山は整地されていたとしても登るのはきつかった。息を切らしながら声を辿る。
「〜♪」
「!あっちだ」
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