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    新聞部修と愉快な後輩たち
    (拳は出てこないけど拳修匂わせ)

    学パロ拳修②日々不良達の抗争が耐えない護廷高校の中には、いくつかの不可侵領域がある。そこにはいかなる不良達も暴れることはおろか近寄ることも出来ず、校内では珍しく平穏が保たれている。その中の一つが、南校舎二階にある新聞部部室である。
    生徒会からのお知らせや、各学校行事の特集、はては近所の駄菓子屋情報まで載せている護廷高校通信。それを編集・発行しているのが新聞部であり、今は2年生の檜佐木修兵が編集長を務めている。
    ではなぜ一介の部活に過ぎない新聞部が不可侵領域になっているのかといえば、まことしやかに流れているいくつかの噂のためである。
    まずは編集長である檜佐木自身。彼は顔の右側、額から顎にかけて三本の傷が走っている。致命傷ともいえるその傷を負った理由は、かつて不良との死闘の果てに負ったものであるとか、冬眠から覚めたばかりの熊に襲われたときものであるとか、様々言われている。その真偽の程はさておき、そんな怪我をしながらも学校生活を送っている檜佐木は不死身の男と影で言われ、不良達に恐れられている。
    さらに、締切間近の新聞部は泣く子も黙る修羅場と化す。もはや機能してない生徒会や行事の運営委員会と原稿締切についてバトルをする新聞部部員達は、普段の温厚で真面目そうな彼らの面影を残していらずまさに幽鬼の如くである。
    そしてもう一つーーー。

    「センパイ一生のお願いッス!!俺に英語を教えてください!!」
    「めんどくさそうだから却下」
    「そんなこと言わないでオラ、一護テメェも頼めよ!!」
    「お願いします!!」
    全力で頭を下げてくるこの後輩たちが頼み事してくる時は大体ろくでもないか突拍子もないことなのだが、今回は前者のようだと、檜佐木は頭が痛くなるのを感じた。
    「教えるも何も、1年の最初の考査なんて中学の復習みたいなもんじゃねぇか」
    「それができてりゃこんなとこにいないッス」
    「それもそうか」
    「いや、納得すんのかよ!」
    そうツッコむ黒崎であるが、自分も阿散井と似たようなものなためバカにすることはしない。
    全力で頭を下げてきて諦める様子もない赤色とオレンジ色に、これはテコでも動かなそうだと呆れた檜佐木は二人の英語の教科担を尋ねた。
    「あー、その先生の過去問なら多分あるぞ」
    「マジっすか!?」
    「探してやるからちょっと座って待ってろ」
    「「ありがとうございます!!」」
    「おー」
    檜佐木はそう言って何やら分厚いファイルを本棚から取り出し、ペラペラと中を確認し始めた。
    その姿をぼんやりと見ていた黒崎は、檜佐木の首元から光るチェーンに気づいた。
    「檜佐木さんネックレスしてるんすね」
    「ん?あぁ、これか?」
    首元に視線を落とした檜佐木は、器用にも片手でファイルを持ち直し、空いた手でネックレスのチェーンをつまみ出した。華奢な造りの銀チェーンの先にはシンプルな銀のリング。指輪にしては小さい気がするそれを、黒崎はどこかで見たことがあるような気がした。
    「センパイってネックレスとかチョーカー好きっスよね」
    「……まぁな」
    何故かぶっきらぼうに阿散井に返事をし、トップをまたシャツの内側にしまってしまった。
    どこで見たのか思い出そうと、うーんと唸りながら記憶を遡っていた黒崎だったが、もう少しで掴めそうなところで、檜佐木の「あったぞ!!」の声がしてそれを逃した。
    「あの先生はそうそう問題を変えねぇから、とりあえずこれでも解け」
    「「あざっす!!」」
    「ちゃんと後で返せよ」
    「分かってますって」
    あとなんか奢れよ、イヤっすよと会話している二人を尻目に 、まぁいいかと黒崎は遡るのをやめた。
    しかし、あの小ぶりな銀のリングをどこで見たのか気づくのは割とすぐなことであった。
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