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    muguet_221B

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    muguet_221B

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    一人称が「私」と「僕」のヴィクトリアンなボーイズです。性的表現はありますが、全年齢だと思います。直接的な表現は無いです。好きなように読んでください。

    肌寒さに目を覚ますと、中途半端に閉じたカーテンの隙間から朝日が漏れているのが見えた。デュベを引き寄せようと身じろぎをしたら、隣の友人の肌に触れ、思いのほか暖かくてこれで暖を取るのもありだな、などと下まぶたを引き上げて思う。昨晩は観劇をして、ホテルにもつれ込み、ワインを開けながら語らって、そして久しぶりに愛し合った。彼はフラットではそうした素振りを見せないが、外泊すると決まって体を許してくれる。彼なりのルールがあるのだろう。アルコールに当てられて呂律が回らなくなった彼の少しあどけない姿が危なっかしくて、首の後ろに手を回して、軽い口付けを楽しんだ。そしたら彼も上機嫌になってベッドに腰かけていた私の方に乗り出してじゃれ合うように唇を味わいあった。そのまま彼の肉体を手で確かめ、求められるままに彼を愉しませた。心の底から喜ぶような顔をうかべた彼を見ることができるのが私たちの家ではない別のどこかだけであるということだけが少し悲しかった。
    ***
    僕の二の腕から肩口で友人が暖を取り始めたのがわかった。確かに彼よりは少し筋肉質かもしれないが、心地のいいものでも無いだろうに。身動きは取れなかったが、まだ朝の5時。もうあと少しだけ、彼を求めても許されるだろう。彼の方を向くと、少し驚いたような表情をして、すぐに慈しむような目線をくれた。僕が口を開くより先に彼が抱擁をし、互いの体温を分かちあった。彼が性急に僕を押し倒したので、「夏の朝は長いぞ」と期待を込めて口に出した。静かな早朝の、はみ出しもののふたりとしては不相応な幸せだった。
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