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    さいとう

    イトアキの進捗とか勢いで書いたものとか
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    さいとう

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    イトアキ本しんちょく
    23000 もうちょっとプロット
    これは3日目のふたり。

     心配してくれていたのは最初からわかっている。ライトのために仕事を調整して、店のことも調整して、きっとこちらに見せていない面もある、それだけのことをして時間を作り出してわざわざ郊外にきた。その前に集められる情報を集めて手配して、アキラは、自分にできることを惜しまず実行してそばにいる。
     全部がライトのためだけに、されたことだ。
    「すこし外に出てみるかい。散歩して、お腹が空いたらお昼ご飯も考えよう」
     アキラはスマホに視線を戻して続ける。またチートピアにいくか、それとも何か買ってくるか、作るのは…ライトさんの部屋を借りていいなら何か作るのもいいね。まぁ、僕の料理が期待できないのはもう知ってるだろうけれど。
    「アキラ」
     呼べば、ぱ、と顔を上げてくれる。なんだい、と気のせいだろうか、その目もいつもより雄弁だ。
     もう一度、今度はちゃんと、キスをした。アキラも少しの間をおいて返してくれる。ひどくゆっくりとしたキスだった。唇を重ねて、挟んで、ずらしてはまた重ねて、吐息混じりの静かな口付け。
     は、と息を吐いて離れれば、アキラの目尻がすこしだけ赤くなっている。
    「…念のため言っておくけれど、」
    「? なんだ、?」
     口の動きを読めなかった。それがわかったのか、アキラがスマホを素早く操作する。ただ、その手はなぜかやや逡巡しているようだった。手元を覗き込んでくるライトを見て、困った顔もする。なんだ、と繰り返せば、肩を揺らして手を動かした。溜め息でも吐いたのだろう。
    『念の為に言っておくけれど、その、えっちは治ってからじゃないとだめだからね。あと、ここではしない』
     その文字を見てぴたりと動きを止めたライトに、アキラが顔を上げる。
     チャットの画面に打たれてはいるが送られていないそのメッセージに手を伸ばし、ライトは送信ボタンを押した。
    「あ、」
     それから自分のスマホを操作して、いまのが送られていることを確認する。我ながら顔がにやけそうだなと思っていたら、頬をつねられた。
    『ライトさん、どういうつもりかな』
    『すまん。あんたがかわいくて』
    『か』
    『なぁ、治ったらえっちしていいのか?』
    『………』
     わざわざ無言を送ってくるのがおかしくて隣を見た。目尻から頬に赤が広がっている。指が動いては止まり、また動こうとして、また止まった。
     すでに体を合わせたことはある。何度もある。なのに時々、こうしてライトにはわからないところで照れを見せるのがたまらない。このやり取りが、アキラには照れ臭いらしい。
     キスしかするつもりはなかったのに、と苦笑していたら、ぱ、とアキラが顔を上げた。
     赤く染まった目尻のままじっと見上げてくるオリーブグリーンは、荷台の天井から明かりを受けてきらきらしている。
    「なおるまで、おあずけだ」
     そう、言葉を区切って聞かされた聞こえない声に、ライトは口元を押さえて笑った。
    「了解だ」
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    さいとう

    MAIKINGイトアキ
    1.5衣装のアキラくんがカジノのディーラーしてるところにライトさんがくる話 の2個目
    カジノがあるのはホテルの7階で、フロアを隅から隅まで使って展開していた。アキラはライトを改めて誘ってエレベーターへ向かう。カジノ専用になっていて、二階のロビーかさらに上階のレストランフロアにしか行けないものだ。
    「あんた、仕事抜けたのか?」「いや、上がったんだよ。もともと僕の契約は二十時までなんだ」
    いまは二十一時になろうという頃合いだった。ライトがゆるりと眉を上げる。「あなたとのゲームが楽しくてね。あ、残業も付くから安心してくれ」「…つまり、時間を忘れて楽しんでた、ってことか?」「ふ、そうなるね」「そりゃ嬉しいもんだ。俺も楽しかったからな」「それは、うん、あなた本当に楽しそうだった」
    エレベーターが止まった。十一階のフロアにはレストランが二軒と、バーが一軒ある。どれもパノラマ展望が売りで、もちろん味も良い。「料理の好みは?」「なんでも食うが、強いていうなら味は濃いほうがいいな」「お酒は飲まないんだったね。ならこっちにしようか」「ん、あんたに任せる」選んだ店に入りカードを見せた。カジノのスタッフだとわかると、店員があらかじめ押さえておいた席に案内してくれる。夜景が見られるテーブル席だ。ライトがちらりと外を見ている。高いところも大丈夫そうでよかったとその横顔に思った。細められた目は楽しそうだ。
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    さいとう

    MAIKINGイトアキ
    1.5衣装のアキラくんがカジノのディーラーしてるところにライトさんが来る話
    お上品なほうのカジノで雇われディーラーとしてルーレット台についてた1.5衣装のあきらくん、あまり見ない顔がいるなと気にしてたら目があって、(しまった、見過ぎた)ってなるんだけどとりあえず目細めてすいと逸らしておいたら、ルーレットが終わったあと別のテーブルに移動する時になぁって声掛けられて、
    「何でしょうか」「あんた、次はどこにつくんだ?」「――あちらです。お客様も挑戦されますか?」「ブラックジャックか。いいな、是非頼みたい」ではとテーブルに案内してカードを準備していたら、スツールに腰掛けた男がじいとこちらを見つめてくる。その目は賭け事の様子をうかがうものというよりも、興味や好奇心の類だろうか。カジノに合わないその雰囲気につい頬が緩みそうになる。「…カジノは初めてかい?」「あぁ。連れに誘われて来たが、ここはいいな」少しだけ砕けた口調にしても気にした様子はない、むしろその表情はうれしげだった。変わった男だと思ったが、こういった場に縁がないのなら仕方ないなとも思う。けれど、その仕草や気配が浮くというわけでもない。ここを知らぬくせに場慣れしているのだ。面白いなと思う。随分ひさしぶりに、アキラも興味を持った。カードを置いて、まだゲームを始めずにドリンクをうながす。「何か飲むかい」「酒はあんまりでな、何かあるか」「なら、カクテルテイストのジュースは?」「ん。甘いのがいい」その見た目で、とまた少し頬が緩んだ。背も高く、体格もいい。体のバランスも良くて、さっきから女性客がちらちらと彼を見ている。当の本人はそれらの秋波を歯牙にもかけないようで、サングラスの奥の目は楽しげにこちらだけを見ていた。
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