真っ赤な林檎は罪の味雨が降り、真っ暗な空が重苦しく続いていた。光も何も無いこの地に、ガラガラと荷馬車を引くような音がして、それと共に空が明るくなり始める。
戦争か何かで飢饉に陥ってるところに、真っ赤で美味しそうなリンゴを持ってきた集団が来た。
食べたら美味しい!ってなったのに、自分の周りだけ地に伏して行く光景に毒を盛られたと思ったけど、一向に苦しくも、何も起こらない。
何か苦いものでも食べたのかのような、そんな顔をして、目から光を失っていく人たちに、唖然としていた。
空はいつの間には黒を裂き、神々しいくらいの晴れ間を作り、何者かの来訪を告げる。
「おめでとう!選ばれし人の子よ!」
そう言って絶望の中差し出された手は、逆光でよく見えない人たちから差し伸ばされていたけど、全員羽と輪見たいのがいつの間にかついてて、見た目は天使なのに、今起きている惨劇に頭が追いつかなくて、
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