さんかくのたからものある時帰ってきた兄の耳には、昨日まではなかったキラリと光るものがついていた。
「にいちゃん! なにそれ!? 耳光ってるよ!」
「き(きれい)」
ヒデオはヒマリと一緒に興味津々と覗き込む。
「ん? あ、これはにゃあピアスじゃよ」
「ぴあすぅ?」
「?」
「そう! 耳にプスッと穴を開けて通すんじゃ」
「ひいっ、痛そう……」
さらっと不穏に聞こえる言葉を話す兄に対し、ヒデオはビックリして泣きそうな表情になる。ヒマリもぎゅっとヒデオの服の裾を掴んで怯えていた。
「にいちゃんかわいそう……なんか悪いことしちゃったの……?」
目に大粒の雫を溜めて今にもこぼれ落ちそうになっている
「待て待て待て、泣くな! これはおしおきじゃなくてファッション!!……えーと、おしゃれじゃ!」
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