五条誕2023にしたかった五歌「げ、」
心底嫌そうに顔を顰めた女が、思わずと言ったように低い声をもらす。
「人の顔見て第一声がそれって、どうかと思うんだけど。」
早朝から他県での任務を1人難なくこなし寮に帰宅した五条は、談話室前の古びた自販機の前に自分と同じく制服姿のまま佇む歌姫のその一音に不満げな声をあげだ。
「歌姫も任務帰り?」
「そうよ、山梨。アンタは?」
「静岡で2件、愛知で1件。ほんと、特級使いが荒いったらないよ」
その点歌姫は弱いから受け持ち任務少なくていいね、などといつもの揶揄いを口にすればまたしても歌姫がわかりやすく顔を歪めた。
「っはー…アンタと話してるとほんとムカつく。」
「なんで怒んの?俺、ほんとの事しか言ってないのに。」
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