墓守り「アハウ、渡すのがこんな身体でごめんな」
力なく笑ったキィニチは数日後に息を引き取った。九十歳を越える大往生だった。
キィニチはいつ死んでもおかしくない戦闘スタイルだったが、私生活はひどく健康的であった。
夜明けと共に目覚め、三食きちんと食べて日が落ちると共に眠る。依頼で生活が乱れる時以外は、バランスの取れた食事で、他人にも気を配るほどだった。それ故、ムアラニやカチーナに母親みたいと言われるほどだった。
だが、どんな依頼でもモラ次第でこなしていたから、早いうちに死んで身体は自分の物になるとアハウは思っていた。だが、手に入ったのはこんなボロボロの身体である。試しに身体に入ってみたら、その身体の使い勝手は最悪だった。
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