付き合って暫く経っているかもしれない美優と夕日 はぁ、と溜め息を溢す。夕日にデートを誘われたのはいいが所謂“デート服”というのがない。そもそも、デートという物を分かっていない。明華がよく見せてくる恋愛漫画のような展開には期待もできない。
「それで私たち呼んだんですか?」
お世話になっているケーキ屋を貸し切って呼んだのは明華と璃奈だ。アイドルになった明華の為を思って貸し切ったが本人にも周りにも何故か冷たい目を食らってしまった。そういうところですよ、なんて言われて。
「明華的にはどう思う?そのへん詳しいでしょう?」
「え〜……私は別に恋愛ストーリーよく見てるだけだしぃ……?」
「そんなこと言って最近どうなんです、桐生さんとは」
「な、な、な、今はそういう話じゃないでしょぉ!」
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