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    mytA

    二次創作非公式cp(腐とよばれるもの)
    HK/bgfe/フロムゲ等

    フロムゲは♂主派
    cpによっては左右非固定

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    https://lit.link/asakemayuta

    ■WaveBox
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    pa_rasite

    DOODLEpixivにアップしてたの引っ込めたのでこちらに
    過去ログ21血を吸って湿った砂塵が靴底でじゃりじゃりと鳴る。乾いた空気はひどく冷え、気が緩めば足が竦んでしまいそうだった。見慣れたヤーナムの街はひしゃげて歪み、整地された道は木の根のようにねじれて小山のように盛り上がっている。岩場を登るように、ときには這うように進んでも見えてくるのは見慣れた筈の聖堂街だ。
    そこに人の影はあった。しかし正気を失い、生ける屍のように血を求めて彷徨う狩人がいるだけだ。かつては自分と同じように狩人だったであろう獣を狩り、肉を裂いて浴びる血に喜びを見出していた。妙に明るい街並みを見渡し、霞む瞳を手で拭う。

    罹患者の症状の一つである、蕩けて崩れた瞳孔のような太陽が不気味に明るい。なんの温かみのない光が崩れたヤーナムを照らしていた。がり、と硬質な地面を爪でかく。腕の力で這い上がれば見えたのは異様な風景だった。ほとんどの道も家も崩れ切ってしまっているのに聖堂街だけはそのままの姿を保っているのだ。また、がりと音を立てて岩のように凹凸が目立つ地面に爪を立てる。見れば爪を立てた場所には深い爪痕が残されていた。背中の産毛が逆立つような不安を感じてルドウイークは装束の手袋を外した。手袋の下には割れた爪が並んでいた。割れた爪の間からは血が滲んでいる。それなのにもはや痛みらしいものさえ感じることもなかった。ルドウイークはここ数ヶ月前から痛みを感じることも少なくなっていた。痛みどころか肉体で感じ得る感覚全てが鈍くなり、体を薄い膜が包んでいるように現実味が薄くなっていた。
    9761

    pa_rasite

    DONEブラボ8周年おめでとう文
    誰かが見る夢の話また同じ夢を見た。軋む床は多量の血を吸って腐り始めている。一歩と歩みを進める度、大袈裟なほどに靴底が沈んだこの感触は狩人にとって馴染みのものだった。獣の唸り声、腐った肉、酸化した血、それより体に馴染んだものがあった。

    「が……ッひゅ……っ」

    喉から搾り出すのは悲鳴にもならない粗末な呼気だ。気道から溢れ出る血がガラガラと喉奥で鳴って窒息しそうになる。致命傷を負ってなお、と腕を手繰り寄せ振り上げる。その右腕に握るのは血の錆が浮いたギザギザの刃だ。その腕を農夫のフォークが刺し貫いた。手首の関節を砕き、肉を貫き、切先が反対側の肉から覗いた。その激痛にのたうちまわるどころか悲鳴さえも上げられない。白く濁った瞳の農夫がフォークを振り回す。まるで集った蝿を払うような気軽さのままに狩人の肩の関節が外された。ぎぃっ!と濁った悲鳴を上げればようやく刺さったフォークが引き抜かれた。その勢いで路上に倒れ込む。死肉がこびりついた石畳は腐臭が染み込んでいる。その匂いを嗅ぎ取り、死を直感した。だがこれで死を与える慈悲はこの街にはなかった。外れた肩に目ざとく斧が叩き込まれたのだ。そのまま腕を切り落とす算段なのだろうか。何度も、何度も無情に肩に刃が叩き込まれていく。骨を削る音を真横に聞きながら、意識が白ばみ遠のきだした。いっそ、死ねるのであれば安堵もできただろう。血で濡れた視界が捉えるのは沈みゆく太陽だ。夜の気配に滲んだ陽光が無惨な死を遂げる狩人を照らし、やがて看取った。
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