デジモンだけで構成された対デジモン専門警察組織、デジタル課
ガオモン警部部長率いる成長期デジモン達がデジモン絡みの強盗、暴力、誘拐といった事件を日々解決している。
突如、数日の間人間と同居生活しているデジモンだけが行方不明になるという事件が多発。警察の人間とデジモンのバディを組んでネットワークや犯人の痕跡といった捜索をするも足取りが掴めず困難を極めていた。
デジタル課は引退した元凄腕刑事として名高いサイケモンと常に単独行動を好むレナモン刑事の2体でこの事件の真相を調査をすることになる。
果たして行方不明になったデジモンは何処に行ってしまったのか、犯人の動機は如何に!?
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真っ暗な暗黒の手がずっと追いかけてくる
「こっちに来ないでよ!!」
パタパタとよろめきながら裏路地を飛ぶ1体の成長期デジモン。つぶらな瞳と小柄な小麦色の体が愛らしい皆のアイドル、皆の人気者パタモン。パタモンの背後から辺りのコンクリートの壁を覆い尽くす程の大きな黒い影が迫ってきていた。
「誰か助けて!!!」
数分前、夕方独りで散歩していた
後ろから誰かに追いかけ回されている
サッと振り向いても黒く蠢く不気味な手の影しか映らない。本体はどうやら遠隔でパタモンを追いかけている様だ。
(ああ…辺りが段々暗くなってきた。今頃僕のことを心配しているはず)
「暗い場所に来ちゃった…」
いつの間にか廃墟に迷い込んでしまったらしい。追いかけてくる闇の手は開いたり閉じたりいやらしい動作を繰り返しながらパタモンに狙いを定めジリジリと追い詰める
このままでは犯人の思う壷…
なんてね
「お前の思い通りになると思ったら大間違いだからな!」
パタモン!ワープ進化!
聖なるデジモン、ルーチェモンFMモード!
「僕は警察だ!近日の誘拐及びストーカーの容疑で逮捕する!!」
ルーチェモンFM警部
デジタルワールドに逃げた指名手配デジモンの捜査や万引きGメンの仕事を担当している観察眼のエキスパート
今回か弱いデジモンのフリをして犯人を誘き出す作戦に自ら名乗りあげ今に至る
ルーチェモンFM警部は襲いかかる黒い手を手掴みでねじ伏せる
「無駄な抵抗をするな!引きずり出してパラダイスロストを喰らわせてやる!!」
グイッとルーチェモンFMが引っ張るとミチミチと影の中から大きな物体が引きずり出される
「は」
それはとても大きかった
ルーチェモンFMよりも、廃墟の建物5階以上の大きさだった
複数の目がギョロリとルーチェモンFM警部を睨む
全ての罪を内包し全ての罪を贖罪する力を持つソイツの名は…
「オグドモン」
バグんッ
ゴリッゴリッゴリ…
ルーチェモンFM警部の体はオグドモンの大きな口に咀嚼される
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「本日より職場復帰したサイケモンだ!
上からの命令で本日からキミと組むこととなった。よろしくな!レナモン刑事!」
「サイケモン元警部、組んで初日で申し訳ないがこれは私の仕事だ。あなたの手を借りる必要はない」
サイケモンの挨拶の握手の手を払うとレナモン刑事は姿を消してしまった
鼻が利くサイケモンはレナモンの匂いを覚えたが恐らくもう外へ出て行ってしまったのだろう
ここはデジモン警察署、第25デジタル課
主にデジモン絡みのトラブルを解決、鎮圧させる組織であり人間界とデジタルワールドに50箇所の部署が存在する
第25デジタル課はその一つ
所属しているのはほとんどデジモンであるが、警察関係の人間とも常に連携できるようにされている為、いち早くゲートをくぐって現場に急行できるのだ
「レナモン刑事は常に一匹狼、いや一匹狐とでも言っておこう。我が部署でも皆が手を焼いてる期待の新人刑事だよ」
「あ、お久しぶりです!ガオモン警部!」
赤いハチマキを額に巻き、黒いネクタイをしたデジタル課一偉いデジモン、それがガオモン警部
警察署にいるデジモンは皆成長期デジモンだ
この姿はあくまで事務作業、筆記作業をする為に退化しているに過ぎなく、部署にいる全員は本来究極体デジモンなのだ。新人のレナモンを除いて
「あれはいわゆるツンデレというやつですか?この自分を呼び戻されるほどの大事件案件だというのに、事の重大さをあの子は理解しているのですかな?」
「ああ見えて繊細な子でね。ここに来る前に色々あってな」
「しかし、ひとりで行動されては困りますな。レナモン刑事は何処に?」
ガオモン警部が取り出したのは一枚の地図
そこに記されたのは古い神社
「レナモンのパートナーが埋葬されてる場所だ」