heaven can waitナチュラルに距離感がバグってるけど付き合っていないし珍しくやってもいないタイプのエリソーちゃん。-
夢から覚める。
うららかな空気に呼び覚まされ、まぶたを持ち上げた向こうから、意外にもつぶらな瞳に覗き込まれていた。
「ひぁ……」
と、その距離の近さからでなく、別の理由でエリジウムは第一声に間抜けな声をあげた。
百年に一人のイケメンとしてあるまじきな行動という気もするが、こればかりは仕方ない。なぜなら、
「……ブラザー、顔がいい……」
そう。
相手の顔がいいからである。
寝起きにこんな距離で美貌を見せびらかされた誰でも変な声を出すに決まっている。
褒められた金眼のエーギルは、いつもの涼しい顔で「そうか、お前もな」とぞんざいな態度で適当な返事を寄越しながら、エリジウムから毛布を剥がして、一応一歩下がった。
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