『麗しのオメガと卑しいアルファ〜カースト逆転オメガバース〜』 感想 この世界ではオメガが崇められ、アルファが虐げられる──
という設定を初めて目にした時、私が想像したのはまず「猿の惑星』でした。
勿論、着飾ったオメガが毛皮を身につけたアルファを鞭でしばき回している様子を想像したのではなく(私はSM系ならば長期的な暴力と心理戦を望みます)
狼の群れにおけるヒエラルキーを参考にしたとされるオメガバースにおいて、統率者たるアルファは絶対的な支配者であり、最も力のないオメガは社会の底辺において苦渋を舐めるしかない。
やもすれば差別的、現実のジェンダーロールの強化に繋がると言われるほど厳しいオメガバースの設定は、一説には攻受の固定を強固にするために誕生したと言われます。その中で敢えて、運命の二人が手に手をとって苦難を乗り越え、或いは上手く世界の掟を出し抜き生き延びていくのが、オメガバースの醍醐味だと思っていました。
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