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    trpg_mafuyu

    @trpg_mafuyu

    自共鳴者のあんま流したくないヤツを流す用

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    trpg_mafuyu

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    アイスバース
    アトクズ

    夜中に止められんかった

    お前は裏切らないと思ってたのに「なぁ、雪」

    言わないでくれって思った

    「俺、さ…お前が好きだよ」

    いつもの顔じゃなくって、まじめで、辛そうで、苦しそうで、スッキリした顔で、あいつはそう言った



    気づいた、気づいてしまった

    オレ、あいつが好きなんだって







    たしか、あれは小学生の時だった

    好きになった人がいた、すっげぇ年上で綺麗な女性
    …でも、その人には好きな人がいるみたいだった

    俺は子供って立場を利用してその人に近寄ったから知っていたんだ

    『ねぇ、応援してくれる?』
    『…うん!オレ、お姉さんのこと応援するね!』

    くるしかった、つらかった、でも、それでその人が幸せになってくれるなら、オレはそれでよかった












    なんでだよ

    『今日ね、あの人に告白するの!』
    『っ、そうなんだぁ、お姉さん綺麗だから絶対付き合えるよ!!』
    『…そうね』

    なんでなんだよ












    『好きです』













    あの時のオレは無知だった
    なんだよ、アイスってジュースって、なんで、なんで、



    『あたし、あなたのこと好きになれて良かった!』



    なんでそんなに幸せそうなんだよ!!!

    お姉さんが溶けた
    水になった、光でキラキラしてた……あぁ、本当に最悪な気分だった!!!!

    幸せそうだったのに、せっかく好き同士になれたのに、なんで、なんで!!!!!!

    綺麗だった、さいあくで、でも、きれいで、きれいで……



    もう、見たくなかった




    オレは知った、アイスは体温が普通より低いんだと

    オレは違った、最悪だ



    誰も、もう、好きになりたくない






















    『お前さ、1人に搾ったりしねぇの?』

    あいつがそう言う、オレの、腐れ縁

    『だって、オレジュースだぜ?オレのこと好きになったら溶けちゃうじゃん?人生の責任とか取りたくねぇしぃ!』

    嘘、本当は見たくないだけ

    『ふーん、ま、俺はアイスだからジュースのことはよくわかんねぇわ』

    思えば、あいつはこの時から変な顔をしてた
    悲しそうな、辛そうな、オレは気付かないふりをしていたのに












    「っ!…、あ」

    ふと、昔のことがフラッシュバックした

    でも、現実は変わらない




    「…うお!?はは、溶けてんじゃん」

    びっくりした顔をして、溶けてるあいつが笑う、わらう?


    「おま、え……おまえ、お前!!!お前ぇ!!!!!なんで、なんで!!!!」

    「はは、声でっか!!なんだよー!お前も俺のこと好きだったんかよ、先言えよ!結構諦めながら告白したんだぜ?俺」


    震えながら、あいつはそう言う

    「おまえ、なんで、なんで…!!」

    「そのなんではなんのなんでだ?俺がお前を好きな事?確かなー、中学くらい?そんときからかなー」

    「ちげぇよ!!!!!なんで、なんで、告白したんだよ!!」

    「だーかーらー、言いたくなったの」

    「は?」

    「いやさ、諦めてたんだけど、やっぱお前の顔見る度に、あぁ、好きだなってなってさ…その、つい」

    顔を赤くしながら、あいつがそう言う

    「、なんで、なんで、オレを…」

    「…ごめんな」

    「お前には、愛ちゃんがいるじゃん、仕事だって!!!ファンのみんながいるじゃねーか、メンバーだって!!!!なんで、なんでオレなんかに、」

    「こーら、俺の好きな人にオレなんかって悪口言わないでくれよ」

    「やめろ、やめろ、やめろ!!!」

    「なぁ、雪…雪成、俺はお前が好き」

    「っ、ぁあ!クソ!!!クソ!!!」

    お前は、こわいんだろ、震えてるだろ、オレには分かる、だって、オレはあいつの親友で…!!!

    「ゆーき、雪成、俺消えちゃうんだよ…言うことあるだろ?」

    「は、おい、待てよ、オレに、おまえに、そんな事、やだ、やだ…!!」

    「頼むよ、冥土の土産ってやつ!」

    笑うなよ、お前はオレのせいで消えるんだぞ

    「雪成、頼むよ」





    そんな顔されたら断れないだろうが


    「っ、すき、すきだぞ、あい、と…」





    「ははっ!俺も!…なぁ、俺、体動かなくなったんだよ、たのむ、まだ感覚があるうちに抱きしめてくれよ」

    「わがった…」

    「うわぁ、めっちゃボロ泣きじゃんw俺雪の笑った顔がす…」

    うるせぇ口だな


    「!?!!!??////」

    顔が真っ赤、あ、早く溶けてる

    「はは、冥土の、土産なんだろ…これなら、お前もあっちで思い出して寂しくねぇだろ」

    「おま、ばっ!は!?」


    「なぁ、愛斗、オレのいちばん…オレにこんな傷おわせたんだ、待っててくれなきゃ許さねぇからな」


    「おまえ、はぁぁ…吹っ切れたらすぐじゃん、さっすがプレイボーイ」

    「うるせぇ……お前のせいで今日で終わりだわ」

    「、ごめんな」

    「ごめんより、言って欲しいことあんだけど」





    「はは…またな」

    その瞬間、あいつは溶けきった


    溶けた水をひたすらにかき集める…光が反射して、綺麗だった、今まで見たどれよりも

    手で水をすくう



    すくえなかった

    「あぁ、オレよりクズでクソやろう…」









    お前は裏切らないと思ったのに!

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