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    早漏なので&モチベ維持のために書けたところまで……

    リョ彩の結婚式で流がブーケ受け取って、あーこりゃプロポーズっすわ自分プロポーズされちゃいますわサーセンwwwと思ってたら一向にされなくて「もういい💢俺から逆(?)プロポーズしてやる!!!!💢ぷんぷん💢💢💢」ってなる三の話です
    書いたそのまま推敲とかしてないのでいろいろお許しください

    【流三】三が逆プロポーズする話 ぽーんっ。
     いまにもそんな音が聞こえてきそうな光景だなぁと、青空の下、弧を描いて宙を泳いでいくブーケを目で追いかけながら、三井寿はぼんやりとそんなことを考えた。
     夏らしい眩しくあざやかな色にあふれたブーケの発射地点、チャペルの二階バルコニーに立つ彩子は、真っ白なレースがふんだんに取り入れられたウェディングドレスに身を包み、いまだにブーケを放った体制のまま、空を抱きしめるように両腕を伸ばしている。その隣に立つ宮城はシルバーのタキシードに身を包み、今にも空に浮かんでいってしまいそうな彩子の腰に手を添え、そっと支えるように寄り添っていた。
     そんな二人のもとから放たれた愛のリレーとも言うべきブーケは、まるでスリーポイントシュートの逆再生のように地上へ降り注いでくる。誰もがその軌道に注視し、行方を目で追っていた。もちろん、三井もその一人であった。
     しかしながら、はじめは「誰が受け取るんだろう」とワクワクした気持ちで見守っていた三井であったが、ブーケの飛距離がぐんぐん伸びていき、前方に集まった新婦の友人らの頭上を通り越したあたりで、あれ、と不安がよぎった。
     あれ、ちょっと待て、どこに行くんだお前。そっちには男しかいねえぞ――。
     三井の不安は的中した。ひゅるるるる、と失速したブーケがぽすんっと飛び込んだのは、新郎友人軍団の一角に佇んでいた一人の男――流川楓のもとであった。周囲の大多数と同様にぼんやりとブーケの行方を見守っていたらしい流川は、自身の胸元に飛び込んできたそれを反射的に両手で受け止めた。ちょうど、バスケットボールでパスを受けたときのように。そうして、ふわりと香り立つ甘い花のにおいを吸い込んだのち、きょとんとした顔で、赤木らとともにすこし離れたところで様子を見守っていた三井のほうを見た。
     なにこれ? とその顔が言っているのが、三井にはわかった。
    「流川ー! ナイスキャッチ―!」
     バルコニーの上から彩子ののんきな声がする。流川は声につられたようにそちらに視線を移すと「……ス」とブーケを掲げて見せた。それから、もう一度、困ったような顔を三井のほうへと向ける。ブーケ、三井、ブーケ、三井、と往復を繰り返す流川の背後で、誰かが吹いた口笛の音が「ヒュウ!」と青空を突き抜けた。
     その瞬間、あ、と三井は声を漏らした。気付いた。気付いてしまった。
    「やっべ、これ、俺プロポーズされる流れだわ……」

     そもそも、このブーケトスという名のパスの始まりは花道と晴子だった。赤木や木暮たちと連れ立って披露宴会場へ移動しながら、三井は二年ほど前のことを思い返す。
     高校時代の仲間たちのなかで真っ先にゴールインしたのが花道と晴子だった。高校時代から花道のほうが晴子にゾッコンで、バスケを通じながら猛アプローチを繰り返していたのは他校にも知れ渡るほどの周知の事実だったが、高校卒業のタイミングで晴子がその思いにこたえる形となり、ふたりはめでたく交際スタート。すぐに花道が渡米して遠距離恋愛となってしまったが、互いのオフに日本とアメリカを行き来しあっては愛をはぐくみ、晴子の大学卒業に合わせてめでたく結婚と相成ったのだった。
     三井の周囲ではふたりの結婚式が初めての参列となる者も多く、新郎新婦も親族も参列者も全員緊張しまくり、という異例の事態となったが、ふたりの人柄が反映されたアットホームで和やかな式だったことをよく覚えている。……赤木が新婦も新婦母も差し置いて大号泣し、晴子にあきれられていたことも。
     そのチャペルでの挙式ののち、晴子がトスしたブーケを受け取ったのは、彩子だった。
    「次は彩子さんの番ですね」
     ほほ笑んだ晴子に、慌てたのは宮城だった。
     花道と晴子よりも一足早く、高校三年の夏から彩子との交際をスタートしていたはずの宮城だったが、結婚に関しては花道に先を越され、ただでさえ焦っていたところに、これだ。そこからの宮城は、はたから見ていた三井でもわかるほどに必死だった。
     サプライズプロポーズのプランを立て、晴子の協力のもとやんわりと彩子の好きなブランドのや理想の婚約指輪についての情報を入手し、寝ている彩子の指に糸を巻いてサイズを測り、それをもとに指輪を用意して――と入念な計画を立てたうえで、彩子にプロポーズをしたのだという。なんでも、計画していたサプライズは、特別イルミネーションの突然の中止によって失敗に終わり、ただちょっと開けた夜の公園でシンプルに「結婚してください」と指輪を差し出すだけになってしまったらしいが、まあ、その結果が今日のこの日だ。
     宮城が「一緒に一度の思い出だから!」とさんざんこだわっていただけあって、今日の式も、花道と晴子たちのそれに負けず劣らずよい式だった。こだわりが強く、高校時代にはおしゃれ番長と呼ばれたふたりの式だけあって、招待状からチャペル内の装飾、二人の衣装と細部に至るまでこだわりがちりばめられていた……ように思う。そのあたりのセンスがいまいち足りていない三井には、ぼんやりとしかわからないが。晴子が「素敵ねえ、おしゃれねえ」と終始感激していたので、きっとそうなのだろう。
     そしてそれを締めくくるように行われたのがいまのブーケトスで、それを受け取ったのが、湘北高校時代同じバスケ部仲間であった流川だった。
     晴子から彩子、彩子から流川と続けば、自然と流川も、という流れになってくる。そうなれば、流川にプロポーズされる相手は必然的に三井自身でしかなかった。
     流川は、三井にとっても高校時代のバスケ部仲間のひとりであり、そして同時に、かけがえのない恋人でもあった。

     流川と三井の付き合いについては、宮城と彩子たちよりもさらにすこしさかのぼる。
     三井が高校三年の夏のことだった。広島でのインターハイを終え、冬まで部に残ることを三井が決意してしばらくしたころ、不意に流川がこう言い出したのである。
    「俺、先輩のこと好きっす」
     ラブ的な意味で、と。
     流川がそんなことを言い出すなんてという驚きはあったが、三井は案外、まんざらでもなかった。というより、うすうすそんな空気を感じ取っていたのである。
     きっとこいつ、俺のこと好きなんだろうなあ、というやつだ。決して三井が自意識過剰だとかナルシストだとかそういうのではなく、事実として流川は三井にだけ異様になついていたし、甘えたり執着したりと「トクベツ」感をあらわにしていたのである。安田や石井など、まわりの部員たちも
    「流川ってホント、三井さんのこと好きだよね」
     と口をそろえて言うほどに。
     しかしながら、実際に流川に面と向かって好意を伝えられると、その迫力は尋常でなかった。好きだと言われた瞬間に、じわじわとほのかな熱が全身に広がった。脳みそが電流でも流れたかのようにしびれて、視界さえぼやけるように思えた。それでも、そんな世界の中で、まっすぐに自分を見つめてくる流川の顔だけはしっかりとした輪郭を描いていて、ほのかに白んだ光を放ちながら、間違いなく三井の世界に映り込んでいた。
     そうして三井は気づいた。ああ、俺も流川のこと好きだったのか、と。
     流川から感じる行為を甘んじて受け入れていたのも、甘えられるのが嬉しかったのも執着されるたびひそかに優越感に浸ってしまっていたのも、すべて流川のことが好きだったからなのか、と。
     そうして、三井と流川の交際はスタートした。

     もうそれから十年近くが経つ。流川が高校卒業後に渡米し、そのまま向こうでプロ選手となっても、三井は大学卒業を機に選手としてバスケに関わることをやめ、スポーツ用品を取り扱う一般企業に一会社員として就職しても、ふたりの関係は変わらなかった。
     流川がオフシーズンに日本に帰国した際、帰る場所は決まって三井の家であったし、お盆や年末年始の休暇に三井が帰省の代わりに長期滞在するのはアメリカの流川の部屋であった。
     だから、こうしてブーケトスが流川に受け継がれた今、流川と結婚する相手といえば自分しかいないはずで、そうなれば自分が流川にプロポーズされるに違いないのだという確信が、三井にはあった。
     男同士で「結婚」という明確なゴールがない分あまり意識せずにいたので花道や宮城らには遅れをとる形となったが、こんな展開になるとまた話は違ってくる。三井は突然、「結婚」「プロポーズ」のキーワードを意識せざるを得なくなった。
     自分はいつプロポーズされるのだろう。流川はどう結婚のことを切り出してくるのだろう、という緊張の日々が始まったのである。

     案の定とでも言うべきか。それから一週間もしないうちに、週刊誌に流川のスキャンダル記事が載った。銀座のジュエリーショップで指輪を買う姿をすっぱ抜かれたのである。安っぽいわら半紙のような紙面には
    「スーパーヒーロー結婚間近!? お相手は……?」
    「プライベートでも『オフェンスの鬼』全開!?」
     なんて、下卑た文字が躍っている。
     その週刊誌を三井に見せてくれたのは、予想外にも職場の同僚であった。昼休みに食堂で日替わり定食をかっ込んでいた三井の隣にどん! と天ぷらそばのトレイを置いたかと思えば「なあ三井、これ見たかよ」と、席に着くよりも先に該当ページを開いて見せてきたのである。
    「経理の子たちがキャーキャー言ってたぜ。楓様が結婚なんてーって」
     顔のいい流川は、バスケファンのみならず、いまや一般女性たちにも人気のスポーツ選手の一人であった。特にこの会社はスポーツ用品メーカーなだけあってスポーツに興味のある社員が多い。話題になるのは当然といえた。
     記事を読み進めていけば、流川が平日の昼間にひとりでジュエリーショップを訪れたこと。店員とじっくり相談したうえで婚約指輪を購入したこと。接客した店員曰く、「相手について話すとき、流川選手は本当にいとおしそうな、大切そうな顔をしていた」らしいことなどが書かれていた。
     流川選手が購入したと思しき指輪、などという見出し付きで指輪の写真まで載っている。ほー、これが俺へのプロポーズ用の指輪か、などと思いながら、三井がしげしげと写真を眺めていると。
    「なんか、ルカワカエデでも恋愛とかすんだな」
     すでに一線を退いた身である三井は、バスケをしていたこと、流川と同じ高校出身の先輩後輩であること、ましてや恋人であることなんて、社内のだれにも言っていなかった。学生時代は野球一筋だったという同僚は、まさかその相手がすぐ隣にいる三井だなんてつゆ知らず、「バスケットボールが俺の恋人、とかいうタイプかと思った」などとのたまっている。
     三井は、それもあながち間違いじゃねえけどなと思いながら、無言のまま味噌汁を啜った。

     その日の夜、残業を終えた三井が自宅マンションへ帰りつくと、真っ暗な部屋が静かに三井を出迎えた。わかっていたこととはいえ、誰もいない部屋に帰るのはうらさみしいものがある。盆明けで仕事が立て込んでいたこともあり、無意識のうちに重たいため息が零れ落ちた。
    「あー、会いてぇなぁ、楓……」
     今頃何をしているのだろうかと、同じ国内にいる恋人のことを想った。
     いつもは帰国時には三井の部屋に滞在している流川だったが、今回は例外的にホテルへと宿泊していた。今回の日本滞在のメインは宮城の結婚式だったが、期間中にはほかにも日本でのプロモーションの仕事が立て込んでいるらしく、ほとんど出張扱いでマネージャーがホテルを取ってしまったのだという。
     先輩のところに泊まりたかった、と流川は不満げにしていたが、滞在先のホテルは滅多なことがなければ泊まれないようなハイグレードのホテルだったため、まあまあたまにはいいじゃねえか、となだめたのがつい先日の宮城の結婚式でのことだった。――のだが、やはり同じ国内にいるはずなのに会えないとなると、もどかしさを禁じ得なかった。
     仕事用のカバンを放り、ネクタイを緩めながらずぶずぶとソファに沈み込む。流川と二人で使うことを前提に買ったソファは、やはり、一人で座るには広すぎた。
     静けさに耐え切れなくてテレビをつける。と、ちいさな画面いっぱいに流川の顔が映ってぎょっとした。
    「うおっ!」
     腰をあげかけて失敗し、ソファからずり落ちる。どしん、とまともに尻をフローリングに打ち付けた。痛みに顔をしかめながら、もう一度テレビ画面を確認する。
     どうやらバラエティー番組のようだ。アイドルチームとゲストチームがミニゲームを行い、それぞれの獲得ポイントを競うものらしく、流川はそのゲストチームにいた。スタースポーツ選手軍団と銘打たれており、三井でも知っているようなサッカー選手や野球選手、水泳選手とともにそろいのチームTシャツを着用している。
    「プロモーションの仕事ってこれか……」
     そういや「テレビ収録してきた」「疲れた」って言ってたな、この前。
     先日流川から届いたメールの内容を思い出す。これは疲れるのも納得であった。ただでさえ人付き合いが得意とはいえない流川だ。初対面の、それもジャンルの違うスポーツ選手たちと組んでバラエティー向けのミニゲームをやれだなんて、苦行以外のなにものでもないだろう。
    「よくがんばったな、あいつ」
     今度褒めてやんねえと、とひそかに決心するのと同時に、三井は流川にこの仕事を持ってきたマネージャーへ畏怖の念を抱いた。よくこんな仕事流川に振ろうと思ったな、というものである。
     と、その時、三井のポケットのなかで携帯電話が震え始めた。まさかこのタイミングでと思いながらもディスプレイを見れば、流川楓の三文字が堂々たるたたずまいで表示されていた。
    「マジかよ……」
     どうしたもんか、と迷ったのちに、三井は咳ばらいを一つして通話ボタンを押した。
    「もしもし? 流川?」
    『先輩』
    「どうした? いま、ちょうどテレビ観てたぜ。お前が出てるやつ」
     週刊誌のことはそ知らぬふりで言えば、あああれか、とでも言うように気のない返事が返ってきた。それから不自然に沈黙をはさんだのち、先輩、と呼びかけられる。いつもよりも硬く、震えた声だった。
    「おう、どうした? なんかあったか」
    『先輩、金曜日ヒマ?』
    「金曜? おう、空いてっけど」
    『夜、外で飯食いまセンカ』
     がちがちに緊張した声と言い回しに、三井は思わず噴き出した。
    「なんだその言い方。別にいいけどよ」
    『店、予約してあるから、あとで場所メールする』
    「おー」
    『……ちょっと、大事な話がある』
    「おー……おう!?」
     聞き逃せないフレーズに思わず立ち上がる。
     大事な話って言ったか、今。そう聞き返そうとしたときにはもう遅かった。それじゃ、とそっけない声だけを残して、通話はすでに切れてしまっていた。
     ツー、ツーと無機質な音を繰り返す携帯電話を片手に、三井は思わず立ち尽くす。大事な話、大事な話、大事な話と、流川の声が脳内にリフレインしていた。
     ほどなくして、携帯電話がてのなかで震える。慌てて画面を確認すれば流川からのメールの受信を知らせていた。さっそく開封すれば、何の前置きもなく店の名前と予約時間が書かれている。現地集合ってことかと思うのもつかの間、すぐその下に記された一文が三井の目に飛び込んでくる。
    「ドレスコード、だと……?」
     店名の下には、流川らしいそっけない文面で「ドレスコードある店だからよろしく」という旨のことが記されていた。まさかと思い、三井は早速店名で検索をかける。すると案の定というべきか、そこはいわゆる「ちょっといいレストラン」だった。ホテルの高層階に入っており、夜景がきれいなことで有名なところのようだ。
    「珍しいな、流川がこんな店」
     普段は三井の家で三井が適当につくったものを食べるか、そのへんのスーパーやコンビニで買ってきたものを買うことが多い。外食になったとしても、個室が予約できる居酒屋や焼き肉がいいところである。顔を隠せばばれないし、ばれたところで男同士だからスキャンダルにもなりえまいと高をくくって、マスクにキャップだけの装備で近所のラーメン屋に連れだって行くこともよくあった。
     それなのに、今回は急にちゃんとしたレストランだ。完全予約制コース料理のみみたいな店で、しかもあの流川が手際よく「すでに予約してある」と来た。
     あからさまなトクベツ感に加えて、「大事な話がある」という流川の言葉。もう、プロポーズの五文字が三井の脳内に貼りついてはがれなくなってしまった。急にばくばくと心臓がうるさくなる。約束の日まではまだ数日あるというのに、いまかいまかと待ちきれなかった。震える指先で携帯電話を操作して、「了解」とだけ返事をする。力を入れて踏ん張っていないと、今にもへにゃへにゃとその場にしゃがみこんでしまいそうだった。
    「やっべーわ、これ……俺、マジでいよいよプロポーズされますわ……」
     夕飯もまだだったが、急に食欲がうせてしまった。胸がいっぱいすぎてお腹もいっぱい状態である。手早くシャワーだけ浴びると三井は早々にベッドに入った。けれど、いくら目を閉じても、深呼吸をしてみても、睡魔は一向に訪れる気配がない。それはそうだ。こんな状況でおやすみ三秒ができる人がいたら教えてほしい、と思って、三井の脳内にはまっさきに恋人の顔が浮かんだ。余計に眠れなくなった。
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    【流三】三が逆プロポーズする話 ぽーんっ。
     いまにもそんな音が聞こえてきそうな光景だなぁと、青空の下、弧を描いて宙を泳いでいくブーケを目で追いかけながら、三井寿はぼんやりとそんなことを考えた。
     夏らしい眩しくあざやかな色にあふれたブーケの発射地点、チャペルの二階バルコニーに立つ彩子は、真っ白なレースがふんだんに取り入れられたウェディングドレスに身を包み、いまだにブーケを放った体制のまま、空を抱きしめるように両腕を伸ばしている。その隣に立つ宮城はシルバーのタキシードに身を包み、今にも空に浮かんでいってしまいそうな彩子の腰に手を添え、そっと支えるように寄り添っていた。
     そんな二人のもとから放たれた愛のリレーとも言うべきブーケは、まるでスリーポイントシュートの逆再生のように地上へ降り注いでくる。誰もがその軌道に注視し、行方を目で追っていた。もちろん、三井もその一人であった。
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