君に渡すひとつの指輪「師匠〜!」
元気のいい声が外から響いて、ガンガディアは読んでいた魔導書を閉じた。
「いらっしゃいポップ君」
「おじゃましまーすって、あれ、師匠は?」
ポップは洞窟内を見渡してマトリフがいないことに気づいた。ガンガディアは立ち上がるとポップに椅子をすすめる。
「大魔道士は出かけている。だがすぐに帰ってくるだろう。かけたまえ。お茶を淹れる」
「そっかー。あ、これお土産」
ポップは椅子に腰掛けると手土産を机に並べた。それらは焼き菓子で、アバン特製のものだろう。それに合う茶葉があったはずだとガンガディアは棚の中を探した。
「師匠どこ行ってんの?」
「ベンガーナだ。探し物だと言っていたが」
「じゃあ帰ってくんの遅いんじゃねえの?」
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